保育士資格を取得するために年齢制限があるのか知りたい方もいるでしょう。現場の平均年齢や定年事情なども気になりますよね。今回は保育士資格の取得に向けて年齢制限があるのか、ケース別の受験要件や取得方法を詳しく紹介します。保育士は子どもたちの育成を担う重要な存在です。資格取得を検討している方は役立ててみてくださいね。
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■目次
保育士資格取得の年齢制限はない!
保育士はかわいい子どもたちの成長を支える人気の職種。
保育士資格を取得して子どもの保育・教育に携わりたいと考える方も多いでしょう。
実際に資格取得を目指す場合に年齢制限などはあるのでしょうか。
まずは、児童福祉法に定められた「保育士」という職種の定義を見てみましょう。
第十八条の四 この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
出典:児童福祉法からの抜粋
上記では年齢について触れていないことから、特に保育士に明確な年齢制限は設けていないことがわかります。
そのため、60歳から保育士を目指したいという方も資格を取得することが可能です。
ただし、資格を取得する条件の中には学歴の規定や実務経験が必要なケースがあるため、基本的には20歳以上から取得可能だといわれています。
次にケース別の保育士資格取得に向けた年齢制限や受験要件について詳しく見ていきましょう。
出典:児童福祉法
【ケース別】保育士資格取得に向けた年齢制限と受験要件
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養成校に通って保育士資格を取得する場合
保育士の指定養成校である「大学または2年以上の短大・専門学校で必要単位を取得して卒業した方」は資格を取得できます。入学するためには、入試や面接を受ける必要があります。
ほとんどの学校の出願資格は、高等学校卒業もしくはこれに準ずる学校を卒業した者が前提であることが多いため、最年少であれば18歳から入学可能となります。
特に養成校に入学するための年齢の上限はなく、高卒資格とやる気があれば、何歳からでも受験することができます。必要単位を取得して卒業すれば、最短2年で保育士として働くことが可能でしょう。
保育士試験に合格して資格を取得する場合
国家資格である保育士試験は年2回開催されており、筆記と実技試験に合格することで資格を取得できます。
学歴や実務経験、幼稚園教諭免許の有無などによって受験資格が異なります。
短大卒業または卒業見込みと取得単位数が必要で、中卒や高卒の場合は一定期間の実務経験が課されます。そのため、受験できる年齢は20歳以上からがほとんどです。
また、養成校同様受験年齢に上限はなく、受験要件を満たしていれば、幾つになってもチャレンジできます。しっかり学習スケジュールを組めば、最短2カ月~3カ月で合格を目指すことができるようです。
ハローワークの職業訓練で資格を取得する場合
あまり知られていませんが、各自治体の職業訓練校または民間委託の教育訓練機関で保育士を目指すことが可能です。自治体ごとに規定や詳細は異なります。
ここでは北海道の応募資格の例を紹介します。
- 高卒以上※でハローワークに求職申込みをしており、公共職業安定所長の受講指示や受講推 薦、支援指示を受けられる方(※高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学資格検定)合格者を含む。)
- 長期高度人材育成コースを修了し、明確に保育士の資格を取得するという意思をお持ちの方
- 国家資格などの高い知識や技能を習得して正社員への就職を希望する方
- ハローワークにおける職業相談の中でジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受け、職業経験の棚卸しや職業生活設計の結果、長期高度人材育成コースの訓練の受講が必要と認定された方 (※年度ごとに概要が変わる場合があり)
高卒以上となるため最年少は18歳となりますが、職業経験なども考慮されるようです。ただ、年齢の上限は特にないため、上記の応募資格を満たすことで選考に挑戦することができるでしょう。
合格すると各自治体に委託された民間の教育訓練機関(専門学校)に2年間通学します。年間の受講料は無料ですが教科書代、材料費などの費用は自己負担となる場合もあるため、試験日や選考内容とあわせて、各自治体に問い合わせするとよいでしょう。
公務員保育士として働きたい場合
公立の保育園の勤務を希望する方は、各自治体が行っている公務員採用試験の保育士枠に合格する必要があります。収入が安定していることから人気があり、試験の難易度も高いようです。
自治体によって公務員試験の年齢制限の有無や受験資格は異なるため、確認することが必要です。
出典:北海道庁
働く保育士の平均年齢層は?若い世代が多い理由
次に働く保育士さんの平均年齢層や若い世代が多い理由について紹介します。
働く保育士の平均割合
厚生労働省の「保育士の現状と主な取組」をもとに保育施設の平均年齢層をまとめました。20~30代の保育士さんが全体の約6割を占めていることがわかります。
若い世代の保育士が多い一方で、70歳以上の方も一定数勤務している状況のため、幅広い世代が働くことができる職種といえそうです。
20代~30代の保育士が多い理由
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働く保育士さんの平均年齢を見ると20代~30代が多いという結果になりました。
ここではその理由について詳しく見ていきましょう。
年齢を重ねるごとに体力的に辛くなる
保育士は主に子どもの生活全般のお世話をすることから、体力のいる仕事です。抱っこしたり、おんぶしたり…食事のサポートなども行い、子どもたちの生活を援助していきます。
中には年齢を重ねるごとに腰痛や肩こりなど身体の不調や疲労を感じる方もいるため、若い世代を中心に勤務する保育士さんが多いのかもしれません。
ただ、近年は小規模保育園やベビーシッターなどさまざまな業務形態があるため、働き方の幅も広がっているようです。
体力的に辛さを感じた場合は、転職を考えて働き方を変えてみることも検討してみるとよいかもしれません。
出産や結婚を機に退職する方が多い
結婚や出産を機に産休や育休を利用して職場に復帰する方がいる一方で、今までと同じような働き方ができないと考えて保育士を辞めてしまう方もいます。そのため、40代以降に復職せずに違う職種に就いてしまうことも多く、保育士の平均年齢が低くなる傾向にあるようです。
しかし、保育施設の中には育休制度や結婚祝い金などの福利厚生が充実した園もあります。就職や転職を考えている方は、長期的に働ける環境か否かを検討することも大切かもしれません。
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保育士の定年年齢事情
次に保育士の定年年齢事情について公立・私立保育園に分けて紹介します。
公立保育園
公立保育士は「地方公務員」であるため、今までの定年は60歳でした。しかし、2023年4月から段階的に定年年齢の引き上げが行われ、2031年には65歳が基準年齢となります。
また、60歳以後に退職した職員が短時間勤務を希望した場合に再任用することができる「定年前再任用短時間勤務制」が策定されました。そのため、今後は定年を迎えた後も保育士として働く方が増えることが考えられます。
私立保育園
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私立保育園は一般企業同様、定年を65歳としている園が多いようです。厚生労働省の「ハローワークにおける60歳以上の保育士に係る求人・求職状況について」では、60歳以上の保育士希望求職者が増加していることを示しているため、これからも60歳以上の雇用の増加が期待できます。
ただ60歳となったいま、体力的に自信がなく「室内遊び中心の園で働きたい」「小規模園で少人数の子どもの保育を担当したい」などの自身の希望条件に合った園を探している方もいるかもしれません。
そういった方々は一度自身の働き方を転職エージェントに相談してみるという方法もあります。
専門のキャリアアドバイザーから応募~入職後のフォローまでしっかりサポートを受けることが可能で、安心して利用することができるでしょう。
出典:ハローワークにおける60歳以上の保育士に係る求人・求職状況について/厚生労働省
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保育士の求人と年齢の関係は?転職やブランク復帰の年齢
最後に求人状況と年齢の関係を詳しく見ていきましょう。
求人で多い年齢層
保育士の平均年齢からみると正規職員の募集が多いのは、20代から30代といえるでしょう。40代以降は主任や園長経験など、役職採用や経験を問われる場面もありそうです。
また、早朝保育・夜間保育の人材不足に悩み、担当できる職員を募集している園も多いようです。短時間勤務が予想されることから、体力面が心配な50代・60代の方々はねらい目の求人かもしれません。
その他にパートや契約社員であれば年齢を問わない傾向が高いため、雇用の間口が広いという面を持っています。ベビーシッターやチャイルドマインダーなどはキャリアによっては時給も比較的高いことから、幅広い年齢層を募集する傾向にあるようです。
ブランクからの復帰で多い年齢層
30代や40代以降は出産、育児、介護などのライフイベント後に一度休職または離職し、無理のない範囲での復帰を考える方が多いでしょう。
ブランクからの復帰を後押しする園もあり、求人票の中でも「ブランクOK!」「ブランクのある方大歓迎」といった文言が見られます。
復職を後押しするための就職や転職フェア、園見学会なども開催されています。特に保育士専門のフェアは多くの施設が出展するため、自身の希望条件に合った園を探しやすいでしょう。
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保育士は幅広い年齢の人がチャレンジできる職業!
現在保育士はさまざまな制度の改正により、幅広い年齢層の人がチャレンジできる資格です。
最短での取得を考えている方は条件を満たしたうえで保育士試験に臨むとよいかもしれません。また、最年少で保育士資格を得たいという場合は養成校への進学を検討するとよいでしょう。
その他にも、
- 無資格だけど保育園で実務経験を積んでみたい
- ブランクがあるけれど、復帰を検討している
といった希望を抱き、保育施設への就職・転職を検討している方もいるでしょう。
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