【2021最新版】保育士試験の合格率や難易度は?実技と筆記試験の比較、推移

国家試験の一つである保育士試験。一般的に難易度が高く、合格率が低いと言われていますが、実際どのくらい難しいのでしょうか。今回は、保育士試験の合格率について、全体的な数字の推移や、筆記試験と実技試験の比較などを紹介します。また、難易度が高いと言われる理由や、合格に向けた勉強方法などもまとめました。


勉強する手元

tkyszk/shutterstock.com

 

保育士試験の概要

保育士試験の合格率や難易度を紹介する前に、まずは試験内容などの概要を簡単におさらいしましょう。

 

一次試験(筆記試験)

 

一次試験の筆記は全部で9科目あります。

科目

筆記試験の出題科目と、科目別の内容を以下にまとめました。

 

筆記試験の科目と内容
教科 内容
1.保育原理
    • ・保育の意義及び目的

    • ・保育に関する法令及び制度

    • ・保育所保育指針における保育の基本

    • ・保育の思想と歴史的変遷

    ・保育の現状と課題
2.教育原理
    • ・教育の意義、目的及び子ども家庭福祉等との関連性

    • ・教育の思想と歴史的変遷

    • ・教育の制度

    • ・教育の実践

    ・生涯学習社会における教育の現状と課題
3.社会的養護
    • ・現代社会における社会的養護の意義と歴史的変遷

    • ・社会的養護の基本

    • ・社会的養護の制度と実施体系

    • ・社会的養護の対象・形態・専門職

    ・社会的養護の現状と課題
4.子ども家庭福祉
    • ・現代社会における子ども家庭福祉の意義と歴史的変遷

    • ・子どもの人権擁護

    • ・子ども家庭福祉の制度と実施体系

    • ・子ども家庭福祉の現状と課題

    ・子ども家庭福祉の動向と展望
5.社会福祉
    • ・現代社会における社会福祉の意義と歴史的変遷

    • ・社会福祉の制度と実施体系

    • ・社会福祉における相談援助

    • ・社会福祉における利用者の保護に関わる仕組み

    ・社会福祉の動向と課題
6.保育の心理学
    • ・発達を捉える視点

    • ・子どもの発達過程

    ・子どもの学びと保育
7.子どもの保健
    • ・子どもの心身の健康と保健の意義

    • ・子どもの身体的発育・発達と保健

    • ・子どもの心身の健康状態とその把握

    ・子どもの疾病の予防及び適切な対応
8.子どもの食と栄養
    • ・子どもの健康と食生活の意義

    • ・栄養に関する基本的知識

    • ・子どもの発育・発達と食生活

    • ・食育の基本と内容

    • ・家庭や児童福祉施設における食事と栄養

    ・特別な配慮を要する子どもの食と栄養
9.保育実習理論
    • ・保育所保育指針の内容など、実習で学ぶ理論について

    (音楽や言語、絵画、絵本など)

出題形式・配点

筆記試験はマークシート形式で、1科目につき10~20問の設問が用意されています。

 

100点満点のうち60点(6割)以上得点すると合格です。「教育原理および社会的養護」は各分野50点満点となり、それぞれ30点以上とれれば合格になります。

 

また、1度合格した科目は3年間再受験が免除されます。

 

二次試験(実技試験)

 

筆記試験の科目にすべて合格すれば、二次試験の実技を受けることができます。

 

実技試験は、「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3分野のうち、2分野を選択します。

科目

二次試験の科目別の出題内容、求められる力は以下の通りです。

 

二次試験の出題科目・内容・求められる力
出題科目 出題内容 求められる力
音楽表現に関する技術 幼児に歌って聞かせることを想定して、課題曲(2曲)の両方を弾き歌いする。 保育士として必要な歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現ができること
造形表現に関する技術 保育の一場面を絵画で表現する。 保育士として必要な造形表現(情景及び人物等を豊かにイメージした描写や色づかいなど) ができること。
言語表現に関する技術 3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、4つのお話のうち一つを選択し、 子どもが集中して聴けるようなお話を行う。 保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方が できること。

出題形式・配点

1分野50点満点中30点以上得点し、合計60点以上とれれば合格です。

 

実技試験の場合、明確な合格基準が公表されておらず、点数の加点や減点の基準を知ることができないようになっているようです。

 

試験日程

 

保育士試験は、春と秋の年2回実施されます。

 

筆記試験は前期が4月、後期が10月となっています。また、二次試験の実技は前期が6~7月、後期が12月頃に行われます。

 

出典:全国保育士養成協議会

出典:保育士試験実技試験の内容/厚生労働省

保育士試験の合格率や難易度が高いと言われる理由

保育士試験の内容をふまえ、ここでは合格率や難易度が高いとされる理由を紹介します。

 

合格率

 

厚生労働省の資料によると2019年の保育士試験の全体の合格率は約23%です。

では、一次試験と二次試験それぞれの合格率はどうなのでしょうか。

一次試験(筆記試験)の合格率

厚生労働省の資料によると、2015年の筆記試験の合格率は25.2%と説明されています。

 

過去の筆記試験の合格率の推移と比較しても大きな差はないため、例年20%前後が筆記試験の合格率の目安と言えるかもしれません。

二次試験(実技試験)の合格率

2015年の実技試験の合格率は、89.1%です。

筆記試験よりも合格率が高いため、一般的に難易度は低いと言えるでしょう。

 

合格率が低い理由

 

全体として合格率が低く、かつ実技試験に比べて筆記試験の難易度が高いことがわかりましたが、これには以下のような理由が考えられるようです。

 

  • 筆記試験は科目数が9科目と多いため
  • 試験範囲が非常に広いため
  • すべての科目が6割以上得点しないと合格できないため

 

合格率は9科目すべてに合格した人の割合を示しているため、数科目のみ合格し次回も試験を受けるといった方は合格者として含まれていないことも、合格率が低い原因と考えられるかもしれません。

 

一方で実技試験の合格率が高いのは、自分の得意分野を選んで受験できることや、一次試験の結果発表から二次試験までの約2カ月をかけて集中的に対策できることなどが、理由として挙げられるようです。


出典:保育士試験の実施状況(令和元年度)/厚生労働省
出典:保育士試験の実施状況(平成27年度)/厚生労働省

保育士試験の合格率や難易度の推移・比較

ここでは、保育士試験の合格率の推移や、他の国家試験との比較についてまとめました。

 

保育士試験の合格率の推移

 

厚生労働省の資料をもとに、2008年~2018年までの受験者・合格者・合格率をまとめたのが以下の表です。

 

二次試験の出題科目・内容・求められる力
  受験者 合格者 合格率
2008年 37,774 3,989 10.6%
2009年 41,163 5,240 12.6%
2010年 46,820 5,324 11.4%
2011年 49,307 6,957 14.1%
2012年 52,257 9,726 18.6%
2013年 51,055 8,905 17.4%
2014年 51,257 9,894 19.3%
2015年 46,487 12,962 22.6%
2016年 70,710 18,229 25.8%
2017年 62,555 13,511 21.6%
2018年 68,388 13,500 19.7%

 

過去の推移を見てみると、受験者数は約2倍、合格者数は約3倍になっています。

また、それに伴って合格率も10%台から20%台へとアップし、2015年以降は20%前後をキープしていることがわかります。

 

他の国家試験との比較

 

先述したように、保育士試験の合格率は例年約20%程度となっています。

 

一方で、同じ医療・福祉分野における国家資格である、薬剤師や看護師試験の合格率は、保育士試験ほど低くないようです。

 

2019年の保育士試験と薬剤師国家試験、看護師国家試験の合格率をそれぞれ以下にまとめました。



合格率の比較

この表から、保育士試験は他の2つよりも差をつけて合格率が低いことがわかります。

 

要因はさまざま考えられますが、薬剤師や看護師試験の場合、大学や専門学校などで勉強した学生さんや卒業生の人数が全体の受験者数に占める割合が多いことが関係しているのかもしれません。

 

保育士試験は基本的に保育関係の大学や学部、学科などを卒業していない方が受験するため、受験者数に対する合格者数が少ない傾向にあることが考えられそうです。


出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省
出典:保育士試験の実施状況(令和元年度)/厚生労働省
出典:第105回薬剤師国家試験の結果について/厚生労働省
出典:第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験及び第109回看護師国家試験の合格発表

保育士試験に合格するための勉強方法と対策

試験会場

sakkarin sapu/shutterstock.com

 

保育士試験の合格率の低さや理由をふまえたうえで、試験に向けた勉強方法を紹介します。

 

通学講座を利用する

 

民間企業が提供する保育士試験対策の通学講座を利用する方法があります。

 

対面での講義はもちろん、収録済みの講義をDVDで視聴できたり、eラーニングを利用できたりすることもあるようです。

 

直前対策や実技試験対策など短期間の講座もあるため、苦手な分野のみに集中して勉強することもできるでしょう。

 

講義内容も幅広く、直接講師からフィードバックをもらえるため、基礎からしっかり学びたい方や実技科目に不安を感じる方などに向いているかもしれません。

 

通学でありながらも、講義を受けやすいように授業スタイルを工夫している講座が多いので、モチベーションを保ちながら勉強を進められそうですね。

 

通信講座を利用する

 

保育士試験対策用の通信講座を利用して勉強する方法もあります。

送付される教材をもとに勉強をして、定期的に課題を提出し添削してもらうというスタイルが一般的です。

 

定期的に添削してもらえるので、自分の弱点や間違いを見直すことができるでしょう。

 

また、DVDやWEB学習などに対応しているサービスもあるので、筆記だけでなく実技試験の対策までカバーされていることが多いようです。

 

受講期間は約半年から1年程度と定められていることが多く、比較的ゆっくりとしたペースで勉強できるため、着実に知識を積み重ねられるかもしれません。

 

独学で勉強する

 

独学で保育士試験にチャレンジするという方法もあります。

 

自分でテキストや問題集を購入して筆記試験の対策を行い、実技対策は教室やレッスンに通ったり、動画を有効活用したりするスタイルになります。

 

費用は市販のテキスト代とレッスン費用のみになるため、通学講座や通信講座よりも安く抑えられるでしょう。

 

ただし、自分で学習計画を立てて進めなければならないため、モチベーションを維持する必要があります。

 

また、法改正など情報の移り変わりがあるため、常にアンテナを張って最新情報を把握しておくことが大切になるでしょう。

保育士試験の合格率をふまえ、きちんと対策をしよう

今回は、保育士試験の合格率や難易度が高いと言われる理由、過去の推移などを紹介しました。

 

保育士試験は筆記と実技の2つから構成されており、筆記試験の9科目すべてに合格しなければ実技試験を受けることができません。

 

また、筆記試験は科目別に6割以上の合格ラインが定められ、すべて60点以上取らなければ合格とはならないため、全体の合格率が低くなっていると考えられます。

 

2016年より年に2回の実施となり、挑戦できるチャンスは増えたものの、依然として他の国家試験と比べると難易度は高いようです。

 

保育士試験に向けた勉強法には、主に通学・通信・独学の3つがあります。これらの特徴をふまえたうえで、自分に合ったやり方で保育士試験の合格を目指してくださいね。


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