放課後児童支援員になるために必要な資格とは?取得方法や履歴書の書き方

学童保育で職員として働くために必要となる「放課後児童支援員」の資格。共働き家庭の増加とともに学童保育の需要が年々高まっている中で、放課後児童支援員はこれからニーズが上昇していく重要な存在と言えるでしょう。 放課後児童支援員になるために必要な資格について、取り方や要件、履歴書の書き方を詳しく紹介します。


笑っている先生の写真

metamorworks/shutterstock.com

 

放課後児童支援員とは

放課後児童支援員とは、学童保育(放課後児童クラブ)における指導のための専門資格です。
2015年に設置された新しい資格で、2020年度から各学童保育(放課後児童クラブ)に2人以上の配置が義務付けられるようになりました。

 

まずは、放課後指導員について、役割や仕事内容、やりがいなどを見ていきましょう。

 

放課後児童支援員の役割や仕事内容

 

保護者が仕事などで昼間留守にしている家庭の小学生が放課後に安心して過ごせる場を提供するのが、放課後児童指導員の役割です。

 

主な仕事内容は以下の通りです。

 

  • 出欠の確認
  • 子どもの発達に合わせた適切な遊びや活動の準備
  • おやつの提供
  • 連絡帳などを用いた保護者とのコミュニケーション
  • 子どもの様子や育成支援のための記録
  • 工作教室や調理実習など地域と連携したイベントの開催
  • 学校をはじめとする関係機関との連携・連絡

 

子どもと遊ぶだけでなく、幅広い業務を行う必要があります。
子どもの発達の知識やイベントの計画などの業務では、保育士としての経験も生かせるかもしれません。

 

放課後児童支援員の勤務時間

 

放課後児童支援員の勤務時間は、平日は10時頃もしくは昼から始まり、終わるのは19~20時頃の各施設の運営時間までが一般的のようです。

 

土曜日などの休日や夏休みといった長期休暇の期間は子どもの受け入れ時間が早まるため、朝早くから運営している施設もあるでしょう。

 

放課後児童支援員のやりがい

幅広いスキルや経験が身につく

保育園とは違い対象が小学生ということもあり、宿題などの教育的な指導や集団での関わり方の援助などを行います。

 

保育とは違った視点から子どもと関わることにより、幅広い知見やスキルを身につけることができるでしょう。

困っている子どもを支えることができる

学童へ来る子どもの中には、複雑な家庭の事情を抱えた子どももいます。
そのような子どもたちが安心して過ごせる環境を整えながら、子どもの寂しさや甘えを受け止めていくことで信頼関係を築いていきます。

 

このようなさまざまな困難を抱えている子どもの支えになれることが、放課後児童指導員のやりがいの一つと言えるでしょう。

 

それでは、放課後児童支援員になるために必要な資格について、厚生労働省「放課後児童クラブの施策と認定資格研修」の資料をもとに紹介します。

放課後児童支援員の資格取得における基本事項

放課後児童支援員は、研修を受講することで資格を取得することができます。
具体的な資格の取り方について、基本的な内容を見ていきましょう。

 

実施主体

 

原則として各都道府県、又は都道府県知事の指定した研修事業者が主体となっています。

 

実情に応じて都道府県が専門研修を実施するうえで適当と認めた市区町村、民間団体などに一部委託している場合もあります。

 

研修項目

 

研修で行われる講義の項目は以下の6項目です。

1.放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の理解 【4.5時間(90分×3)】

(1)放課後児童健全育成事業の目的及び制度内容
(2)放課後児童健全育成事業の一般原則と権利擁護
(3)子ども家庭福祉施策と放課後児童クラブ

2.子どもを理解するための基礎知識 【6.0時間(90分×4)】

(4)子どもの発達理解
(5)児童期(6歳~12歳)の生活と発達
(6)障害のある子どもの理解
(7)特に配慮を必要とする子どもの理解

3.放課後児童クラブにおける子どもの育成支援 【4.5時間(90分×3)】

(8)放課後児童クラブに通う子どもの育成支援
(9)子どもの遊びの理解と支援
(10)障害のある子どもの育成支援

4.放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携・協力 【3時間(90分×2)】

(11)保護者との連携・協力と相談支援
(12)学校・地域との連携

5.放課後児童クラブにおける安全・安心への対応 【3時間(90分×2)】

(13)子どもの基本的な生活面における対応
(14)安全対策・緊急時対応

6.放課後児童支援員として求められる役割・機能 【3時間(90分×2)】

(15)放課後児童支援員の仕事内容
(16)放課後児童クラブの運営管理と職場倫理

 

科目数はすべてで16科目あります。1科目あたり90分の講義時間が設けられているので、合計24時間の研修を受けることになります。
子どもに関する知識や、放課後児童クラブでの仕事内容について幅広い知識を学ぶ必要があるようです。

 

研修期間など

 

原則として2~3カ月の期間内の、計4~8日間で実施されています。
都道府県によっては、6カ月の 範囲内で2期に分けて実施されているところもあるようです。

 

期間や日数は各都道府県によって異なるので、自分の住んでいる都道府県の情報を確認するとよいでしょう。

 

科目の免除について

 

保育士や社会福祉士の資格または幼稚園教諭をはじめとする教員免許を取得している人は、研修の一部科目が免除されます。

 

免除される研修科目は以下の通りです。

 

【引用】既に取得している資格等に応じて、以下のとおり、研修科目の一部について免除が可能。

① 基準第10条第3項第1号に規定する保育士の資格を有する者
「2-④ 子どもの発達理解」、「2-⑤ 児童期(6歳~12歳)の生活と発達」、「2-⑥ 障害のある子どもの理解」、「2-⑦ 特に配慮を必要とする子どもの理解」 (計4科目)

② 基準第10条第3項第2号に規定する社会福祉士の資格を有する者
「2-⑥ 障害のある子どもの理解」、「2-⑦ 特に配慮を必要とする子どもの理解」 (計2科目)

③ 基準第10条第3項第4号に規定する教諭となる資格を有する者
「2-④ 子どもの発達理解」、「2-⑤ 児童期(6歳~12歳)の生活と発達」 (計2科目)【引用】

 

出典:放課後児童クラブの施策と認定資格研修/厚生労働省p48~49から抜粋

 

保育士が免除される科目は、「子どもの発達理解」、「児童期(6歳~12歳)の生活と発達」、「障害のある子どもの理解」、「特に配慮を必要とする子どもの理解」の4科目となります。

 

幼稚園、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の教諭となる免許状を取得している人は、「子どもの発達理解」、「児童期(6歳~12歳)の生活と発達」の2科目の免除を受けられます。

 

また、社会福祉士の資格を取得している人は、「障害のある子どもの理解」、「特に配慮を必要とする子どもの理解」の2科目の免除が可能です。

 

研修の時間が省略されるため、保育士にとっては取得しやすい資格と言えそうですね。

 

出典:放課後児童クラブの施策と認定資格研修/厚生労働省

放課後児童指導員になるための資格取得の要件と流れ

 

資格の取得要件

 

資格取得のための研修を受講するには、以下の条件のいずれか1つを満たしている必要があります。

保育士などの有資格者

  • 保育士の資格の保有者
  • 社会福祉士の資格の保有者
  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格の保有者

実務経験者

 

  • 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、大学への入学を認められた者若しくは通常の課程に よる十二年の学校教育を修了した者であって、2年以上児童福祉事業に従事した者

 

  • 高等学校卒業者等であり、かつ、2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者で あって、市町村長が適当と認めた者

 

 

実務では2年以上の経験が求められるようです。

大学・大学院

    • 大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又 はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

 

    • 大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又 はこれらに相当する課程において優秀な成績で単位を修得したことにより、同法第百二条第二項の規定により大学院への入学が認められた者

 

    • 大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専攻する研究 科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

 

  • 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学 科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

 

大学や大学院でこれらの課程を専攻し、卒業している必要があるのがわかりますね。

 

放課後児童支援員の資格取得の流れ

 

放課後児童指導員になるための資格取得では、研修の受講とレポートの提出が必要です。

1.各都道府県または市町村に受講申込書を提出する

自分の住む都道府県に申し込みを行います。ここでは、受講資格の確認が行われます。

2.認定研修を受講する

座学だけでなく、施設の見学などを実施している都道府県もあります。

 

研修費は無料ですが、テキストなどの実費は個人の負担となります。

 

もしも病欠で休む、研修期間の途中でほかの都道府県に引っ越すなどの理由で最後まで受けられなかった場合は、一部科目修了証が交付されます。これによって出席した科目はすでに履修したとみなされるそうです。

認定資格研修修了後、修了証が交付される

研修をすべて受講し、修了したことが認定されると修了証が交付されます。これは全国共通で通用する修了証として位置づけられます。

 

出典:放課後児童クラブの基準についてp1~8/厚生労働省

 

出典:放課後児童クラブの施策と認定資格研修p48~53/厚生労働省

放課後児童支援員の履歴書の書き方

校庭を走る小学生の写真

KPG_Payless/shutterstock.com

 

基本的な書き方

形式・サイズ

履歴書の形式には大きく分けてJIS規格・自由形式(JIS規格以外)の2種類があります。

JIS規格とは、「日本工業規格(Japan Industrial Standards)」を参考にしたものです。先方からの指定がなく、どの履歴書を使うか悩んだ場合はJIS規格で提出するのがよいでしょう。

 

自由形式では学歴・職歴欄が大きかったり、自己PRや趣味・特技欄が広く取られていたりとその形式によって特徴があります。「自分はこの能力をアピールしたい!」という希望がある場合は自分に合った形式を選択すると自分のよさが伝わりやすいかもしれません。

 

履歴書のサイズはA4とそれより小さめのB5があります。指定があった場合それに従いますが、特にどちらでも構わないでしょう。

 

A4サイズは志望動機や自己PR欄のスペースが広めに設けてある場合が多いので、たくさん書きたいという方はA4を選ぶのがよいかもしれません。

手書きかPCか

指定がなかった場合、どちらで書いても問題ないでしょう。

 

手書きのメリットとしては、宿題を見る、掲示物を作成するなど学童保育(放課後児童クラブ)の場では字を手書きする場面が多いため、どんな字を書くか見てもらえるという点がありそうです。
また手書きの字にはあたたかみを感じるという人も多いので、子どもと接する職場では自分の人柄を伝えることのできる手書きのほうが印象に残るかもしれません。

 

PCの場合、字のきれいさに自信がない人でも読みやすい履歴書を作成できるというメリットがありそうです。また、修正のしやすさを重視するときや何枚も書く必要があるときなどはPCが便利そうですね。

 

放課後児童支援員の志望動機の例文

 

履歴書の志望動機は、自分がその職場に入りたいという熱意をアピールできる重要なポイントです。
どのように書けば自分の意欲や仕事に対する考え方を伝えられるか、紹介していきます。

保育士から放課後児童支援員を目指す場合

放課後児童支援員を目指したきっかけ、自分の強み、就職してからやりたいことの3点を軸に記述します。
なぜ保育士から放課後児童支援員になりたいか、保育士としてのキャリアを学童保育(放課後児童クラブ)でどう生かしていきたいかなどをわかりやすく書いていくとよいでしょう。

 

【例文】
小学生の成長を支援できる仕事がしたいと考え、放課後児童支援員を志望いたしました。 5歳児の担任を経て、幼保小連携の業務を経験して参りました。
小学校入学を見据えた子どもの保育の難しさを感じるとともに、小1の壁問題の根深さを改めて実感しております。
学童保育(放課後児童クラブ)において家庭に代わった生活支援という観点から、保育で培った共働き家庭の子どもの援助経験を生かしていきたいと考えています。困難を抱えた子どもの生活を支えることで、すべての子どもたちが安心して育っていける環境づくりに貢献していきたいです。

放課後児童支援員として働いていて他の学童保育(放課後児童クラブ)の職場を目指す場合

同業の転職の場合、転職先の職場ならではの特徴を挙げて、そこでやりたいことを考えるとよいでしょう。

 

自分の持つスキルや経験、なぜその職場で働きたいかが伝わる文章を心がけましょう。
役職や行ってきた業務などの経験、自分の強みをどう生かせるかを書くのがポイントです。

 

【例文】
子どもと関わることが好きで、学生の頃から学童保育(放課後児童クラブ)のアルバイトをしていた経験から放課後児童支援員として働いて参りました。
子どもの頃からやっていた体操競技のスキルを生かし、運動指導を重点とした援助をしたいと考え御社を志望いたしました。
〇年間続けた体操では、選手としての経験だけでなく、子ども体育教室でコーチとしてのサポートを行った経験がございます。
運動指導のスキルと、学童保育(放課後児童クラブ)で培った子どもへの対応力を生かして、子どもの健やかな成長を支援していきたいと考えております。

 

このような例文を参考に、放課後児童指導員としての履歴書を作成してみてくださいね。

放課後児童支援員の補助員について

補助員には放課後児童支援員の業務を補佐する役割があります。

学童保育(放課後児童クラブ)において放課後児童支援員の有資格者は2人以上の配置が必要です。
そのうち最低1人は放課後児童支援員でなければなりませんが、 それ以外は補助員に代えることができます。

 

放課後児童支援員と補助員の違い

 

放課後児童支援員は資格が必要ですが、補助員は無資格でも働くことができます。
特に研修を受けなくても補助員として働けますが、勉強として「子育て支援員研修」 (放課後児童コー ス)を受講し、保育・子育て支援分野の事業に従事するための知識を身につけるのもよいでしょう。

 

補助員の仕事内容

 

放課後児童支援員の業務をサポートすることが補助員の役割と言えるでしょう。
補助員に任される主な業務は、出欠の確認や遊び・宿題の見守りや援助、記録や行事計画の補佐などです。家庭や学校との連絡・連携は含まれていません。

 

放課後児童支援員の業務のうち、子どもと関わる仕事の補助が求められるようですね。

 

補助員から放課後児童支援員になるには

 

放課後児童支援員の資格取得のため、研修への参加が必要です。
保育士や社会福祉士、幼稚園などの教諭の有資格者、大学などでの社会福祉学などを修了した人は研修を受けることができます。

 

それ以外の場合は学童保育(放課後児童クラブ)などで2年以上の経験が求められます。
子育て支援員研修(放課後児童コース)を修了した補助員であっても、他の補助員経験者と同じ2年の経験年数を必要とされるので注意が必要です。

 

ただし、補助員で子育て支援員研修(放課後児童コース)を受講していても、特に研修科目の免除などの措置はありません。

 

出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係p1~4/厚生労働省

 

出典:放課後児童支援員研修の受講要件の緩和p1/厚生労働省

 

出典:放課後児童クラブの施策と認定資格研修p90~93/厚生労働省

放課後児童支援員になるために必要な資格について知ろう

放課後児童支援員の資格の取り方や、履歴書を書く際のポイントを紹介しました。
資格の取得に必要な研修では、保育士資格を持っていると一部の科目が免除されるなど、保育士にとって取得しやすい資格だということがわかりましたね。

 

この機会に放課後児童支援員の資格を取得し、保育士の経験を生かせる働き方を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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