保育園や幼稚園では、時の記念日にちなんだ製作として腕時計やあじさい時計などを作ることもあるでしょう。紙皿や牛乳パックなどの身近な素材を使って製作を楽しみ、時間や数字に関心を持てたらよいですよね。今回は、3歳児・4歳児・5歳児が簡単に作れる時の記念日にちなんだ製作アイデアを紹介します。
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■目次
時の記念日の製作を楽しもう!
そもそも時の記念日とは、日本で初めて時計によって時が知らされた6月10日に制定された、時間にまつわる記念日です。
1920年に東京天文台と財団法人生活改善同盟会によって制定された時の記念日は、日本国民に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけ、時間の大切さの意識を持つように設けられたと伝えられています。
時間を大切にするという意識は、保育園生活においても子どもたちに大切にしてほしいことの一つですよね。
保育園や幼稚園で時の記念日の製作をするときには、以下のねらいを意識しておくとよいでしょう。
- 製作を楽しみながら、時間の概念や数字に親しみを感じる
- 時計の製作を通して、時の記念日について知り、時間を大切にしようという気持ちを持つ
時の記念日にちなんだ製作は、子どもたちが時計や数字に興味を持つきっかけとなるようです。
時間の感覚を育むための糸口となるよう、しっかりねらいを立ててから製作アイデアを考えていきましょう。
今回は、3歳児から5歳児の幼児クラス向けの時の記念日にちなんだ製作アイデアを紹介します。
【3歳児向け】時の記念日にちなんだ製作アイデア
3歳児クラスでは、ハサミやのりに興味を持ち始める子も出てくる頃でしょう。
しかし、ハサミを使う作業が思うようにできない子どももいるかもしれないので、保育士さんが補助しながら進めるとスムーズにできそうです。
ここでは、3歳児クラスの子どもが身近な素材を使って簡単に作れる、時の記念日にちなんだ製作アイデアを紹介します。
フィンガーペイントのあじさい時計
紙皿を使って、フィンガーペイントを楽しめるあじさいの時計を製作してみましょう。
用意するもの
- 紙皿(白)
- 画用紙(白緑)
- 絵具(桃色、水色、紫)
- 紙皿
- 折り紙(桃色、水色、紫)
- 丸シール
- 両面テープ
- のり
緑の画用紙であじさいの葉を2枚作り、桃色、水色、紫の3色の画用紙はあじさいの花の形に切っておきましょう。
さらに白い画用紙で時計の針を作り、裏に両面テープをつけておきます。丸シールには「3.6.9.12」と書いておきましょう。
作り方
1.紙皿にあじさいの花をイメージしながらフィンガーペイントをします。
2.(1)が乾いたら紙皿の縁の周りに3色の花を貼り、葉を紙皿の後ろにつけます。
3.数字の書かれた丸シールを貼り、時計の中心に針をつけるとできあがりです。
製作のポイント
紙皿の絵の具が乾いてから花や葉をつけるときれいに仕上がります。
のりは薄く塗るよう声をかけ、手を拭くための濡れたタオルも用意しておくとスムーズに製作できるでしょう。
紙皿に貼る花はさまざまな色を用意しておくと、子どもたちも選ぶ楽しさを味わえるかもしれません。
完成したあじさい時計を保育室に飾って、「今何時かな?」と話題にしてもよいですね。
思い出のハウス時計
牛乳パックをお家の形に見立てて、子どもが窓から顔をのぞかせたかわいらしい時計を作ってみましょう。
時の記念日が終わっても、自宅に持ち帰って飾ったり、時計の針を動かして遊んだりできますよ。
用意するもの
- 牛乳パック
- ビニールテープ
- 画用紙(白、各色)
- モール
- きり
- ハサミ
作り方
1.牛乳パックの側面に好きな色の画用紙を貼りつけます。
2.シールを貼って飾りつけをします。
3.白い画用紙を丸く切って文字盤として(1)の側面に貼りつけます。
4.(3)の中心にきりで穴を開けて、モールを差し込んで時計の針を作ります。
5.牛乳パックの口の部分を閉じて、ビニールテープでふさぎます。
6.子どもの写真を貼りつけたらできあがりです。
製作のポイント
3歳児の子どもたちには、シールで飾りつけをする工程を楽しんでもらいましょう。
作ったあとも、自由に時計の針を動かせるので、時計の針に興味を持つ子どももいるかもしれません。
「今○○くんはおやつの時間かな?」と子どもを主役にしてお話を展開して遊んでもよいですね。
紙コップのデジタル腕時計
紙コップの底を使って、デジタル式の腕時計を製作しましょう。
用意するもの
- 画用紙(白水色桃色)
- 輪ゴム
- 紙コップ
- カッター
- シール
- クレヨン
- 両面テープ
あらかじめ紙コップの底から1cmほど上の部分をカットしておきます。側面にはバンドが通るようカッターで切り込みを入れておきましょう。
また、白い画用紙は細長く切っておきます。水色と桃色の画用紙には「12:00」や「10:00」などペンでデジタル表示を書き、裏に両面テープを貼っておきましょう。
作り方
1.紙コップの底の部分にクレヨンで自由に絵をかきます。
2.好きなデジタル表示の画用紙を選び、(1)に貼ります。
3.バンドに見立てた白い画用紙に、自由に絵を描いたりシールを貼ったり飾りつけます。
4.紙コップの側面の切り口にバンドを通し、輪ゴムを使ってつなげるとできあがりです。
製作のポイント
デジタル表示の画用紙は子どもが自由に選べるよう、多めに作っておくとよいかもしれません。
バンドに輪ゴムをつける作業は保育士さんが行い、子どもの腕のサイズに合わせて仕上げましょう。
「〇〇くんの時計は3時だからおやつを食べる時間だね。」などと、時間と生活を交えて話をすると、3歳児の子どもたちが時間に興味を持つきっかけになるかもしれませんね。
参考動画: 紙コップと牛乳パックで変身ウォッチ!/保育士バンク!
【4歳児向け】時の記念日にちなんだ製作アイデア
4歳児クラスになると、徐々にハサミを上手に使えるようになる子どももいるでしょう。
まだ細かい作業は難しいので、子どもが楽しく取り組めるよう保育士さんが準備しておくとよいかもしれません。
4歳児クラスの子どもが身近な素材を使って簡単に作れる、時の記念日の製作アイデアを紹介します。
紙皿で作るかたつむりの時計
時の記念日がある6月の生き物、かたつむりをモチーフにした時計を作ってみましょう。
用意するもの
- 紙皿 2枚
- 画用紙(クリーム色、水色)
- 画用紙で作った長針短針
- ボタン
- 糸
- モール
- のり
- テープ
- ペン
あらかじめ保育士さんが紙皿に針を固定しておきます。
製作のポイント
4歳児クラスでは、紙皿に数字を書き込む際に数字の書き方や場所がわからなくなる子どももいるかもしれません。
保育士さんがあらかじめ数字を書き入れた丸い画用紙を作っておいたり、見本となる時計を用意しておいたり工夫しましょう。
時計の針を動かして、朝起きる時間や昼食の時間、夜寝る時間など、生活習慣の動作と時間を結びつけながら時間の感覚を養っていけるとよいですね。(詳しい説明はこちら)
紙皿で作る亀時計
紙皿を使って、亀の形をした時計を製作してみましょう。
用意するもの
- 紙皿
- 糸
- ボタン
- 画用紙で作った時計の針
- 画用紙で作った数字が書かれたパーツ
- 画用紙で作った亀のパーツ
- 絵の具
- きり
- テープ
- のり
あらかじめ保育士さんが画用紙に数を書いて丸く切っておきましょう。時計の針も準備しておきます。
製作のポイント
紙皿を亀の甲羅に見立てて色を塗ります。子どもの好きな色で自由に塗ってもよいですね。紙皿が乾いたら保育士さんが時計の針を固定させましょう。
また、亀のパーツは子どもが切りやすいよう太い線で切り取り線をかいておけば、4歳児の子どもたちがハサミを使う練習にもなりそうです。
子どもが自由に色を塗ったり目をかいたりすると、いろいろな表情の亀ができて楽しい仕上がりになるでしょう。(詳しい説明はこちら)
トイレットペーパーの芯で作る腕時計
トイレットペーパーの芯を使って腕時計の製作を紹介します。
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 1本
- ハサミ
- 画用紙
- クレヨン
- のり
あらかじめ保育士さんがトイレットペーパーを3等分に切り、画用紙を時計の形に丸く切っておきましょう。
製作のポイント
好きな色で模様などを自由にかいて、自分だけのオリジナル時計を作りましょう。遊びながら数字に触れることで、数字に興味を持つきっかけにもなるかもしれませんね。
4歳児クラスでは、時計の数字がまだ書けない子どももいるかもしれません。
保育士さんのお手本を用意したり、見やすい位置に時計を移動させたりと工夫できるとよさそうです。(詳しい説明はこちら)
【5歳児向け】時の記念日にちなんだ製作アイデア
保育園や幼稚園のなかで年長クラスとなる5歳児さん。
細かな作業でも積極的に挑戦したいという気持ちが現れてきたり、イメージを膨らませながら製作に取り組んだりする姿が見られるでしょう。
5歳児の年長クラスにぴったりな時の記念日の製作アイデアを紹介します。
ティッシュ箱の振り子時計
5歳児クラスでは、ティッシュ箱の取り出し口の形を活かした振り子時計を製作してみましょう。昔ながらの雰囲気を感じながら作ってみてくださいね。
用意するもの
- ティッシュ空き箱 1箱
- 厚紙 2cm×20cm 1枚
- 大きめのボタン 2個
- 竹串 5cm 1本
- 画用紙(白)丸く切ったもの 1枚
- 画用紙(茶色)
- 両面テープ
- テープ
- カッター
- きり
- ペン
- のり
あらかじめ保育士さんがカッターやきりを使う作業を済ませておきます。茶色の画用紙は空き箱の取り出し口など、カッターで切り抜いた形に合わせて用意しましょう。
製作のポイント
文字盤を書く作業は、年長の子どもたちが時計の読み方に興味をもつきっかけにつながるでしょう。
時計には長い針と短い針があることや、長い針が12のときの時間の読み方などを子どもに教えると、時計により興味が持てるかもしれません。
ティッシュ箱に貼る画用紙は子どもたちが好きな色を選び、クレヨンで自由に絵をかいてもよいですね。(詳しい説明はこちら)
折り紙の腕時計
時の記念日にちなんで、折り紙で腕時計を製作してみましょう。文字盤やベルト部分も再現でき、しっかり手首に装着することができます。
用意するもの
- 折り紙
- 画用紙
- ハサミ
製作のポイント
折り紙の見本として子どもが見るために、大きめの紙を用意して折り進めておきましょう。
折り方が難しいところは子どもが上手に折れているか、ゆっくり確認しながら進めるとよさそうです。
身に付けて遊ぶことができるため、5歳児の子どもたちもよろこんでくれそうですね。(詳しい説明はこちら)
紙コップで作るアラーム時計
年長児向けに、紙コップでアラーム時計を作ってみましょう。リンリンと鈴の音がなる様子を楽しめますよ。
用意するもの
- 紙コップ 1個
- 鈴 1個
- 糸 1本
- 鉛筆
- ハサミ
- きり
- ペン
- テープ
製作のポイント
この製作は、ハサミを上手に使えるようになる年長クラスの製作にぴったりでしょう。
パーツを組み合わせるなど細かい工程もあるので、工程を確認しながら丁寧に作っていくときれいな仕上がりになりそうですね。
糸を通す工程が難しい場合は、保育士さんが行うようにするとよさそうです。(詳しい説明はこちら)
空き箱で作る置き時計
想像力が豊かになる5歳児クラスでは、空き箱を使ってオリジナルの置き時計を作ってみましょう。
用意するもの
- 空き箱
- 折り紙
- 画用紙
- クレヨン
- のり
- セロテープ
- 文字盤
- のり
あらかじめ保育士さんが画用紙で文字盤を作っておきます。空き箱は事前に保護者に用意してもらうとよいでしょう。
作り方
1.空き箱に好きな色の折り紙を貼ります。
2.丸く切った白画用紙を好きな場所に貼り、丸シールと針を貼って文字盤を作ります。
3.作るモチーフに合わせて箱の側面に色画用紙を貼ります。
4.クレヨンで自由に絵をかいたら完成です。
製作のポイント
長い耳をつけてうさぎ時計にしたり、ボタンをたくさん付けてロボット時計にしたりとさまざまなアレンジができるでしょう。
動物や食べ物な保育士さんがあらかじめテーマを絞っておき、「好きな動物は何かな?」など子どもに聞いてから製作に入るとイメージが膨らみやすいかもしれません。
5歳児の子どもたちが素材を工夫しながらイメージを表現できるよう、画用紙やモール、廃材など、さまざまな材料を用意しておくとよいですね。
時の記念日に親しみ、楽しく時計を製作しよう
今回は時の記念日にちなんで、掛け時計や置時計、腕時計など保育園で楽しめる製作アイデアを3歳児・4歳児・5歳児と年齢別に紹介しました。
時の記念日の製作を通して、子どもたちが時計や時間に興味を持ったり、数字に親しんだりできるよう楽しく活動しましょう。
また、牛乳パックや紙皿など、身近な素材を活用することで、子どもの想像力や思考力を育んでいけるかもしれません。
あじさい時計や腕時計などのアイデアを参考に、時の記念日の製作を楽しんでみてくださいね。