冬休み明けに予想されるのが、保護者から離れられない子どもの姿ではないでしょうか。「保育園に行きたくない!」と登園渋りすることは、珍しいことではありません。年末年始の連休を迎える前に保育士さんたちがしっかり対策を練ることで、穏やかな新年のスタートを迎えられるかもしれないですね。保育園でできることを見ていきましょう。
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■目次
冬休み明け恒例の登園渋り
連休明け、子どもはなぜ登園渋りをするのでしょうか。
生活リズムが崩れて眠たい、気分がのらない、連休中ずっといっしょにいた保護者と離れることが寂しいなど、さまざまな理由があります。
子どもの姿を予想し、理由を考慮しながら対策を練っていきましょう。
冬休み明けに登園渋りする子どもの姿とは
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理由同様に、登園渋りする子どもの姿もさまざまです。
一人ひとりが求めていることを汲み取り援助することで、子どもの気持ちも落ち着くかもしれません。
対策を考える前に、まずは子どもの姿を予想しましょう。
保護者から離れない
玄関で保育士さんが迎え入れてもこちらに来ない、保護者から離れられないという姿は、たまに見かける光景かもしれません。
すがりつく子どもに申し訳なさを感じ、保護者も子どもから離れられない、ということもあるでしょう。
激しく泣く
「保育園いやだ!」と言って玄関に寝転がり大泣き、という姿もあるかもしれません。
泣いているうちにパニックのようになったり、子ども自身もなにがなんだか分からなくなったりすることもあるでしょう。
一度落ち着いた後にかかわる必要があるかもしれませんね。
そもそも登園して来ない
年明け初日、なかなか登園して来ないなと思っていたら、「家を出られず…今日は欠席します。」という保護者の方からの電話があり、後ろでは子どもの泣き声が…ということもあるかもしれません。
泣きすぎてどうしようもない場合は、登園を諦めてしまうこともあるのかもしれないですね。
保育士ができる冬休み明けの登園渋り対策
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予想される子どもの姿をもとに、次は対策を考えていきましょう。
登園渋りは、保育士さん、子どもが大変なことはもちろんですが、保護者の方も疲れてしまったり、罪悪感があったりするかもしれません。
それぞれの心情に寄り添った配慮を行いましょう。
登園渋りについて保護者に説明しておく
まずは連休前に、保護者に登園渋りが予想されることを説明しておきましょう。
伝えることのポイントを紹介します。おたよりなどに載せてもよいかもしれません。
登園渋りは「あるある」なことを伝える
連休明けは、保護者の中にも疲れている人がいるでしょう。
子どもが登園渋りをしていると、保護者が心配したり、しんどく感じていたりする様子が見られるかもしれません。
子どもの登園渋りは、あるあるです。
保護者があまり深刻にならないように配慮する、大変なときは気持ちに寄り添い、安心を届けることで信頼関係も深まります。
登園渋りしたときの対応を伝える
登園渋りは、保護者の方も戸惑うかもしれません。
そんなときのために、対応を事前に保護者へ伝えておきましょう。
たとえば保護者の抱っこが長引くと、子どもが余計に離れられず、保護者の方が仕事に行けず困ってしまうかもしれません。
子どもに対して「仕事が終わったら必ず迎えにくるからね」と伝えてもらった後は、保育士に子どもを預けさっと離れて仕事に行ってもらうのがよいかもしれませんね。
保護者と離れたあとの姿を伝える
保護者といるときは激しく泣いていても、離れるとケロっとして遊び始める、またはしばらく抱っこしたら落ち着くということがほとんどでしょう。
このような、離れたあとに予想される子どもの姿を伝えておくと保護者も安心かもしれません。
降園時にも、安心できるようなエピソードを話してあげましょう。
また、万が一泣き止まず保育園で過ごせそうにない場合のために、すぐ連絡がつくようにお願いしておくことも大切かもしれません。
保育士のシフト調節をする
冬休み明けは、新年の挨拶や体調確認を念入りに行う必要があるなど、普段よりも登園時間の対応が慌ただしくなるかもしれません。
いつもよりも朝の出勤人数を増やすなどのシフト調節をしておいてもよいでしょう。
また、クラス担任が迎え入れられる職員配置にしておくのもよいかもしれませんね。
冬休み明けでは遅い!登園渋りに備えた保育計画
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登園渋り対策は、年末から取り入れていきましょう。
登園渋りをせずに子どもが登園したくなる工夫、登園渋りしても子どもが落ち着いてすごせるようにする工夫、それぞれを紹介します。
年末からのつながりを持たせる
登園渋りに対する対策も大切ですが、まずは、子どもたちが冬休み明けの登園が楽しみになるような工夫を取り入れてみましょう。
年末から年明けにかけてできる遊びを取り入れるとよいかもしれません。年賀状ごっこなどを取り入れると、年末年始の区切りを知るきっかけにもなりますね。
ゆったり過ごせるようにする
連休明けは、保育園のある生活リズムを取り戻し、子どもが疲れを溜めないようにすることが大切でしょう。
また、落ち着きなくすごしていると怪我の原因にもつながります。
気分転換しつつ、ゆったりすごせる活動がよいでしょう。
伝承遊びを用意する
新年を迎えた時期だからこその遊びがあると、子どもたちの興味も湧き、気持ちの切り替えもできるかもしれません。
伝承遊びを通して、正月の楽しかった思い出を振り返ることもよいでしょう。
冬休み前に、年明けにどんな遊びを用意しているかを伝えたり、正月に関する製作を取り入れたりすることもよいかもしれませんね。
冬休み明けの登園渋り対策を練り、年末年始を迎えよう!
冬休み明けは、子どもも保育士さんもいつもの調子がでないことが多いでしょう。
一週間くらいを目安に連休明けの過ごし方を考え、徐々に生活リズムを取り戻していけたらよいですね。
紹介した登園渋り対策を参考に、年末から考えるようにしていけると安心ですよ。
保育士さんも清々しい気持ちで新年を迎えられるように、冬休み、しっかり休んでリフレッシュしてくださいね!