保育士と幼稚園教諭の違いとは?給料や資格、仕事内容などの比較

保育士と幼稚園教諭にはどのような違いがあるのかご存知でしょうか。小学校入学前の子どもを預かるという点では似ているものの、必要な資格や仕事内容など、さまざまな面で大きく異なるようです。今回は、保育士と幼稚園教諭の違いについて、資格や免許の取得方法、仕事内容、給料などの観点から紹介します。


子どもを抱っこする保育士さん

milatas/shutterstock.com

 

保育士と幼稚園教諭にはどんな違いがある?

保育士と幼稚園教諭にはどのような違いがあるのでしょうか。

資格や働く場所など、制度上の違いについて以下の図にまとめました。


保育士と幼稚園教諭の違いを説明した図

保育士は保護者の代わりとなって子どもたちを保育する仕事であり、幼稚園教諭は子どもたちに対して教育をする仕事であるという違いがあります。また、預かる子どもの年齢にも違いがあることがわかりますね。

 

ちなみに、保育士と幼稚園教諭の両方の側面をあわせもつ仕事に保育教諭があります。

保育教諭は保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持ち、主に認定こども園で働く職員を指します。


次からは、保育士と幼稚園教諭の違いについて具体的に見ていきましょう。

出典:学習指導要領「生きる力」/文部科学省

出典:保育所利用の仕組み/厚生労働省

出典:保育所保育指針解説P17,P48/厚生労働省

出典:教育職員免許法/文部科学省

保育士と幼稚園教諭の違い:仕事内容

保育士と幼稚園教諭には、仕事内容において違いがあるようです。

 

保育士と幼稚園教諭の1日のスケジュールの違い



保育士と幼稚園教諭のスケジュールの違いをまとめた図

保育園は原則8時間、幼稚園は4時間開園することが決められているため子どもたちの降園時間に違いがあります。また、午睡があるかどうかも異なるポイントでしょう。

 

幼稚園教諭の場合、事務作業や行事の準備などをする時間をしっかりと確保しやすいのに対して、保育士は午睡の時間や子どもの降園後など、限られた時間に対応することが求められそうです。

 

年間行事の数の違い

 

年間行事の数は園によって差があるものの、幼稚園のほうが、参観日やバザーなど保護者の方が関わる行事が多いようです。

 

そのため幼稚園の場合は、土日に出勤することもあるかもしれません。

また、PTAがある幼稚園も多く、保護者の方のみが参加するイベントもあるそうです。

 

保育園でも運動会やお泊まり保育などさまざまなイベントがありますが、幼稚園の方が年間行事数は多い傾向にあると言えるでしょう。

 

キャリアアップの違い

 

内閣府による処遇改善制度の取り組みの一つに、キャリアアップ研修制度があります。

幼稚園教諭の場合

幼稚園教諭向けのキャリアアップ研修の分野は、以下の9つです。

 

①教育・保育理論 ②保育実践 ③特別支援教育 ④食育・アレルギー ⑤保健衛生・安全対策 ⑥保護者の支援・子育ての支援 ⑦小学校との接続 ⑧マネジメント⑨制度や政策の動向

 

これらの研修を受講し修了すると、

「一般教諭→若手リーダー→中核・専門リーダー→主幹教諭→副園長・教頭→園長」

という順にキャリアアップしていきます。

 

ただし、必要となる要件は役職によって異なるので、きちんと確認しておきましょう。

保育士の場合

保育士向けのキャリアアップ研修の分野は、以下の8つです。

 

①乳児保育 ②幼児教育 ③障害児保育 ④食育・アレルギー ⑤保健衛生・安全対策 ⑥保護者支援・子育て支援 ⑦保育実践 ⑧マネジメント

 

これらの研修を受講し修了すると、

「一般保育士→職務分野別リーダー→副主任・専門リーダー→主任→園長」

という順にキャリアアップします。

 

幼稚園教諭の場合と同様に、必要となる要件は役職によって異なります。

 

このように、保育士と幼稚園教諭では、研修分野の科目や目指せる役職が異なるものの、大きな違いはないようです。

 

ただし、園によって役職名が異なるので、勤める園でどのようなキャリアパスを実現できるのか事前に確認することが大切ですね。

 

出典:平成 30 年度子ども・子育て支援新制度市町村向けセミナー資料/内閣府

保育士と幼稚園教諭の違い:資格や免許

子どもと遊ぶ保育士さん

milatas/shutterstock.com

 

保育士として働くためには、「児童福祉法」に基づく保育士資格が必要になります。

一方、幼稚園教諭として働くためには、「教員職員免許法」に基づく教員免許を持っていることが求められます。

 

それぞれの資格や取得方法の違いについて見ていきましょう。

 

保育士資格

 

概要

保育士資格は、児童福祉法に基づいた国家資格になります。

 

名称独占資格の一つで、資格を持っていないと保育士と名乗ることができません。

 

保育園などの児童福祉施設において、家庭や保護者に代わって子どもを保育することができる資格となっています。

取得方法

保育士資格の取得方法には、以下の2つのパターンがあります。

 

  • 保育士試験(筆記・実技)を受験して、合格する
  • 厚生労働大臣が指定する保育士資格が取れる専門学校、短大・4年制大学で、所定の単位を取得し卒業する

 

保育士試験を受ける場合は、独学や通信講座の受講や、専門のスクールに通うなどして学ぶ方法があるようです。

 

また、保育士として働くためには、保育士資格を取得したのちに都道府県知事に対して登録申請手続きを行い、保育士証を公布してもらうことが必要になります。

 

幼稚園教諭免許

 

概要

幼稚園教諭免許は、教員職員免許法によって定められている免許状です。

 

主に幼稚園に通う子どもたちを教育することを目的とした免許で、最新の知識技能を身につけるために定期的に更新する必要があります。

取得方法

幼稚園教諭免許を取得するには、大学や短大などを卒業して学位をもらい、都道府県教育委員会から授与されるのが一般的です。

 

幼稚園教諭免許には、第1種免許状、第2種免許状、専修免許状の3種類があり、それぞれの免許状を取得するには、以下の条件を満たすことが必要になります。

 

  • 1種免許状:4年制大学にて幼稚園教諭養成過程を修了し、卒業する
  • 2種免許状:短大・専門学校を卒業する(通信教育でも可)
  • 専修免許状:4年制大学を卒業後、大学院にて修士課程を修了する

 

持っている資格の種類によって、できる業務の範囲に差が出ることはないようですが、初任給や待遇面で違いが発生することがあるようです。

 

保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を取得するには?

 

では、保育士資格と幼稚園教諭免許の二つを取得するためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

両方の資格を取得するには、二つの養成課程がある4年制大学、短大、専門学校において、卒業までに所定のカリキュラムを修了する必要があります。

 

特定の養成学校において、保育士と幼稚園教諭に必要な学科などの単位を取得することで、卒業と同時に資格や免許を取得することができるようです。

 

また、幼稚園と保育園の機能を担う「認定こども園」の増加に伴い、保育士が幼稚園教諭の免許を取得しやすいように、幼稚園免許状取得の特例制度も設けられています。

 

対象施設における保育士としての実務経験が3年以上かつ勤務時間の合計が4320時間以上あり、必要とされる8単位を修得し、各都道府県教育委員会の教育職員検定に合格することにより、幼稚園教諭免許状が授与されるしくみとなっています。

 

出典:一般社団法人 全国保育士養成協議会

出典:国家資格関係資料/厚生労働省

出典:教育職員免許法/文部科学省

出典:幼児教育の現状/文部科学省

出典:幼稚園教諭免許状授与の所要資格の特例に関するQ&A/文部科学省

保育士と幼稚園教諭の違い:給料

厚生労働省の資料をもとに、保育士と幼稚園教諭の給料面を比較してみました。


保育士と幼稚園教諭の給料の違いをまとめた図

表を見ると、幼稚園教諭の平均給与のほうが若干高くなっていますが、保育士と大きく差が開いているわけではないことがわかります。

 

勤める園が公立か私立かによっても異なりますが、保育士と幼稚園教諭の給料にあまり違いはないと言えるでしょう。



出典:賃金構造基本統計調査/厚生労働省

保育士と幼稚園教諭それぞれのメリット

保育士と幼稚園教諭、それぞれの仕事におけるメリットをまとめました。

 

保育士として働くメリット

 

0歳児から5歳児までの子どもとかかわれる

保育園で保育士として働くと、幅広い年齢の子どもとふれ合うことができることが挙げられます。

 

幼稚園の場合、基本的に3歳児から5歳児までが対象児童となりますが、保育園では0歳児や1歳児の乳児を保育するチャンスもあるでしょう。

 

また、さまざまな年齢の子どもたちとのかかわり方を学べるので、実践的な保育の知識が身につき、将来的なキャリアアップにも役立つかもしれません。

保育園以外にも働ける施設がたくさんある

保育士資格を活かして、さまざまな施設で働くことができるというのもメリットと言えそうです。

 

保育士は、保育園だけでなく児童養護施設や放課後等デイサービスなどさまざまな児童福祉施設で働くことができます。

また、資格を活かしてベビーシッターや保育ママなどになれるため、就職先の選択肢が広いと言えるでしょう。

 

幼稚園教諭として働くメリット

 

子どもたちに教育的な指導ができる

幼稚園教諭として働くと、運動や学習、音楽活動などを通して教育をすることができます。

 

そのため、幼児に対し年齢に合った情操教育をしたいと考えている方にとってはメリットかもしれません。

 

また、毎日の教育活動によって子どもたちの成長を感じられるとやりがいにもつながりそうですね。

夏休みや冬休みなど長期休暇が取りやすい

幼稚園教諭として働くメリットとして、長期休暇の取りやすさが挙げられるでしょう。

 

園によって異なるものの、夏休みや冬休みなどの長期休暇の期間にお休みとなる園が多いようです。

 

もちろん園児と同じようにまるまる休みというわけではないので、研修や行事の準備などは発生するかもしれません。

 

しかし、子どもたちを預かっているわけではないため、通常よりも業務量が少なく、比較的長めの休みがとりやすいと言えるでしょう。

保育士と幼稚園教諭の違いについて知り、自分に合った仕事を選ぼう

今回は、保育士と幼稚園教諭の違いについて、仕事内容や資格、給料の面から比較しました。

 

保育士と幼稚園教諭は、子どもを預かるという点では似ているものの、「保育」をするか「教育」をするかという大きな違いがあります。

また、必要な資格についても、保育士資格と幼稚園教諭免許という点で異なります。

 

保育士として働いた場合と幼稚園教諭として働いた場合では、やりがいやメリットなどもさまざまかもしれません。

 

働くうえで自身がどんなことを重視するのかを明確にして、自分に合った仕事選びをしてみましょう。

 

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