保育士試験をこれから受験する方の中には、「とにかく過去問を解いて対策をしよう!」と考えている方もいるのではないでしょうか。実は、保育士試験では過去問を使った対策には注意が必要です。そこで今回のコラムでは、過去問を使って試験対策をする場合の勉強方法や、気をつけたいポイントについてまとめてみました。
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保育士試験の過去問を使う際の注意点とは?
試験対策をしようと考えたとき、過去問を使った対策方法をまずは取り組む、という方も多いのではないでしょうか。保育士試験の場合、過去問による試験対策は注意が必要です。
過去問で注意したいのは「法改正」
保育士試験対策で過去問を使う際に注意したいのが、「法改正」についてです。例えば、児童福祉法を例にとってみましょう。最新の動きのひとつとしては、2019年4月1日から施行される児童福祉法の一部改正です。
その改正により、虐待を受けている子どもの保護やその保護者の指導に関する法案内容が変更されています。児童福祉法は保育に直結することに加え、内容の変更も比較的多いと言えます。そのため、保育士資格の試験では児童福祉法に関する問題は頻出のようです。ニュースや厚生労働省など公的機関の情報をこまめにチェックした方がよいでしょう。
また、2019年10月より施行される予定の「幼児教育・保育無償化」も話題となっている制度です。そのため、無償化の対象になる子どもの年齢や世帯、一部補助の対象になる施設の種類などは確認にしておくとよいかもしれません。
特に昨今の保育士不足や待機児童といった現状は社会問題として大きな注目を集めています。そのため、保育士の処遇改善や人員配置の緩和など、保育周りの法整備が国を主体に進められています。同じ年度に行われる試験でも、前期と後期で出題範囲は異なります。その都度、最新情報を確認して試験に臨むようにしましょう。
出典:児童福祉法及び児童虐待の防止法に関する法律の一部を改正する法律案要綱/衆議院ホームページ
統計の情報にも注意が必要
統計の数字も保育士試験にはよく出てきます。チェックしておきたいのは、虐待の発生件数や相談件数など。相談内容の内訳なども併せて頭に入れておきたいですね。出生率関連の数値も、保育士試験の出題範囲となっているトピックのひとつで、過去に出題もされているようです。
ただここで注意したいのは、数字が最新のものであるかどうかです。過去問でこういった統計に関する問題を解く場合は、問題文のパターンや、問題形式に慣れるためのツールとして使うようにするとよいでしょう。インプットの際は、厚生労働省などの公的機関の最新情報を使って勉強するとよいかもしれません。
出典:平成29年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数<速報値>/厚生労働省
試験対策はどうする?
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では、保育士試験の試験対策はどのように行ったらよいのでしょうか。
テキストのそろえ方
保育士試験の勉強をする際にテキストを購入する場合は、それが最新版のものであるか必ず確認の上、購入するようにしましょう。ほとんどの場合、表紙に何年度版というのが記載されているので、それを確認してくださいね。中には、テキストや問題集をフリマアプリで購入する方もいるかもしれません。もしフリマアプリを経由して購入する際は、初版がいつなのか、最新版なのかの確認を忘れないようにしましょう。
過去問の問題集を買う場合は、過去3年分ぐらいのものを目安にそろえるとよいようです。あまり前の過去問を使ってしまうと、法律などの情報が古いだけではなく、出題形式が異なる可能性もあります。
過去問で出題形式や出題傾向に慣れる
保育士試験の対策では、過去問をメインに勉強することはあまり最適とは言えません。前の項目でもふれてきたように、保育士試験の出題範囲の中には法律の改正や統計の数字、時事問題など、新しい情報が試験で問われるようです。そのため保育士試験の場合は特に、過去問は「解いていれば合格できる」という位置づけではなく、雰囲気や問題形式に慣れるためのものであると認識しましょう。
回答のコツ
保育士試験では、同じような内容を問う問題でも、形を変えて引っ掛け問題のように出題されることもあるので注意が必要です。例えば、問題に使われている数値や表の見た目はほぼ同じでも、集めているデータの種類が異なる場合もあります。問題文をしっかり読まないと間違った回答をしかねません。焦らずに似た問題が出ても、しっかり問題文を読むようにしましょう。
スキマ時間にはアプリが便利
保育士試験の対策用のアプリはたくさんリリースされており、無料でダウンロードできるものもあります。アプリは基本的には一問一答形式のものが多いため、サブの教材として勉強するとよいかもしれません。
そのため、授業や書籍を使った勉強の息抜きとして使ったり、移動中など、スキマ時間での勉強に使うのがよいでしょう。ただ、それでも最新情報に基づいているかは確認した方がよいので、アプリを使って勉強する場合は法改正や数字との関連が薄い科目を重点的にやるのがよいかもしれません。
またアプリの場合ダウンロードは無料で、課金することで最新版が見れるものもあるので、活用するのも一つの方法かもしれません。特に社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉の3つの科目を勉強するときには、最新版かどうか確認しましょう。
過去問を上手に使って、保育士試験に合格しよう
保育士試験の過去問を使った試験対策について解説しました。とにかく出題範囲が広い保育士試験は、勉強するのが本当に大変ですよね。保育士を目指している方であれば、保育士資格の取得はゴールではなく、通過点にすぎません。その後この蓄えた知識を保育現場で活かすことを見据えて、保育士試験の合格を目指しましょう。