6月の梅雨の時期は室内で楽しめる製作遊びを取り入れてみましょう。虫歯予防デーや時の記念日といった行事にちなんだ作品から、カエル、あじさいなどの季節を感じられるモチーフまで、さまざま取り組めそうです。今回は、保育園で楽しめる6月の製作アイデアを紹介します。行事ごとや0歳〜5歳児の年齢別にまとめたので、参考にしてみてくださいね。
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■目次
6月に製作遊びを楽しむねらい
6月は雨が降り続く梅雨の時期。保育園では外遊びの活動が少なくなりがちかもしれません。
そんなときこそ季節にちなんだ楽しい製作活動を取り入れて、どんよりとした雰囲気を吹き飛ばしてみましょう。
保育園で行なう6月の製作には、以下のようなねらいがあります。
- 製作を楽しみながら6月の季節を感じる
- 6月ならではのモチーフを知り、創作力や表現力を養う
- 6月の行事にちなんだ製作遊びを楽しみ、興味や関心を持つ
6月は虫歯予防デーや時の記念日などの行事にちなんだ製作遊びを取り入れて、行事に親しみをもってもらえるとよいですね。
また、梅雨の時期ならではのかえるやかたつむり、あじさいなどのモチーフを作ると、季節を感じられる活動になるでしょう。
今回は、6月にぴったりな製作遊びのアイデアを紹介します。行事ごと、0歳~5歳児の年齢別にわけてまとめたので保育に取り入れてみてくださいね。
6月の行事の製作アイデア
6月の行事にあわせた製作アイデアを紹介します。
虫歯予防デー
6月4日の虫歯予防デーは歯の健康について考える大切な日。
カバのカスタネットの製作遊びを楽しみ、歯の磨き方を伝えたり、リズム遊びをしたりして楽しめるとよいですね。
カバのカスタネット
<用意するもの>
- 紙皿 2枚
- ペットボトルのキャップ 4個
- 絵の具 (灰色)
- 画用紙 (ピンク色)
- ノリ
- ボンド
- ハサミ
<ポイント>
歯ブラシを画用紙や折り紙で作り、歯磨きの大切さを伝えた後にリズム遊びを楽しむとよさそうです。
完成後の作品に名前をつけてもらえば、親しみをもって歯磨きの練習をしてくれそうですね。(詳しい作り方はこちら)
時の記念日
6月10日は時の記念日です。
腕時計を作って数字を覚えたり、時間を守る大切さを伝えたりできるとよいですね。
手作り腕時計
<用意するもの>
- トイレットペーパーの芯 1本
- はさみ
- 画用紙
- のり
<ポイント>
数字を書くことが難しい場合は、保育士さんが書いたりシールを用意したりしてもよいでしょう。
腕時計のベルトの部分に金や銀の折り紙を用意すると、特別感が出てよろこんでもらえるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
父の日
6月の第3日曜日は父の日。
2024年の父の日は、6月16日です。
日頃の感謝の気持ちを込めて、紙皿で作るメッセージカードを製作してみましょう。
紙皿とお花のメッセージカード
<用意するもの>
- 紙皿
- 折り紙
- クレヨン
- ストロー
- 両面テープ
- セロハンテープ
- はさみ
<ポイント>
はさみで細かく切り込みを入れる工程は、子どもたちの様子を見ながらサポートするとよさそうです。
文字を書くことが難しい場合は、子どもの写真を貼ってもよろこんでもらえそうですね。(詳しい説明はこちら)
和菓子の日
昔から、6月16日はお菓子を食べて厄除けや幸せを願う日として親しまれていました。
今では「和菓子の日」と呼ばれているため、子どもたちとお菓子の製作を楽しむとよさそうです。
折り紙で3色団子
<用意するもの>
- 折り紙 3枚
- 竹串
<ポイント>
おだんごを作った後はごっこ遊びのアイテムに取り入れてもよさそうです。
竹串の取り扱いに十分注意しながら行ないましょう。(詳しい作り方はこちら)
夏至
夏至とは、一年で最も昼が長く、夜が短い日です。
年によって日付に違いがある夏至ですが、2024年は6月21日です。当日は、短い夜を楽しむためにキャンドルナイトを開催する地域も多いようです。
保育園でもキャンドルフォルダーの製作を取り入れて、子どもたちと楽しい時間を過ごしましょう。
フラワーペーパーで作るキャンドルフォルダー
<用意するもの>
- フラワーペーパー
- ビン
- LEDランプ
- のり
<ポイント>
完成後は保育室を暗くして、キャンドルナイトの雰囲気を楽しむとよさそうです。
キャンドルの光の様子を見ると子どもたちがよろこんでくれそうですね。
【乳児(0歳児、1歳児、2歳児)向け】6月の製作アイデア
続いて0歳児、1歳児、2歳児の乳児向けの製作アイデアを見ていきましょう。
季節の花
スポンジであじさいを作ろう
<用意するもの>
- メラミンスポンジ(3cm×3cm)
- 輪ゴム
- 色画用紙(桃色、水色、緑、黄緑、黄色)
- 絵の具
- はさみ
- のり
<ポイント>
製作を始める前に壁面製作の大きな画用紙を見せて、「これからあじさいの花を咲かせよう!」などと言葉かけをして興味を引き出してみましょう。
0歳児の場合はスポンジを画用紙に押しつける力が弱いかもしれないので、先生が手を添えていっしょに色をつけるとはっきりと写すことができそうです。
絵の具が机につかないように、製作前に新聞紙やビニールシートなどを敷いておきましょう。(詳しい作り方はこちら)
コーヒーフィルターで作るあさがお
<用意するもの>
- コーヒーフィルター
- 水の入った紙コップ
- 画用紙
- カラーペン
- 鉛筆
- はさみ
<ポイント>
先生はあらかじめコーヒーフィルターを丸くカットしておきましょう。
カラーペンで円形の模様をかく工程があるため、2歳児向けの製作かもしれません。
0歳児や1歳児と作る場合は先生が模様をかいておき、子どもたちと水に浸してインクがにじむ様子を楽しむとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
てるてる坊主
用意するもの
- ビニール袋
- フラワーペーパー(ピンク、オレンジ、紫などさまざまな色のもの)
- 丸シール(てるてる坊主の目と口)
- PEテープ
作り方
1.フラワーペーパーをくしゃくしゃに丸めます。
2.(1)をビニール袋に入れて顔の部分を作ります。
3.ビニール袋の中間をPEテープで結びます。
4.(3)に目や口のシールを貼って顔を作ったらできあがりです。
ポイント
0歳児や1歳児などの場合、フラワーペーパーを丸めるときの力加減がわからない子どももいるかもしれません。
そういった場合は、先生が子どもの手を包んでいっしょに丸めたり、両手で優しく丸めることを伝えたりしてみましょう。
フラワーペーパーの代わりにティッシュや綿を丸めて作ることもできるため、さまざまな材料を活用してみてもよいですね。
傘の製作
折り紙で作る傘
<用意するもの>
折り紙
<ポイント>
折り方がシンプルなため、2歳児クラスの折り紙練習にぴったりかもしれません。
雨粒の形に切った画用紙といっしょに保育室の壁面に貼りつければ、梅雨を表現する壁画製作に活用することもできます。
クレヨンやペンで模様をかいて、オリジナルな傘を作ってみても楽しそうですね。(詳しい作り方はこちら)
傘の壁面工作
<用意するもの>
- 半紙(正方形) 1枚
- 絵の具 数色
- 画用紙 1枚
- 色鉛筆やペン
- はさみ
- のり
<ポイント>
先生はあらかじめ半紙をカットしたものを用意しておきましょう。
半紙は絵の具を吸いやすいため、絵の具に浸していると手が汚れてしまうかもしれません。先生は濡れタオルを手元に置いておき、すぐに子どもの手を拭けるようにしておきましょう。
画用紙に貼りつけて壁面に飾るのもよいですが、半円にカットした画用紙を丸めて円錐形の立体的な傘を作り、その上に貼りつけて模様として活用してみるのも面白いかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
【幼児(3歳児、4歳児、5歳児)向け】6月の製作アイデア
次に、3歳児、4歳児、5歳児の幼児向けの製作アイデアを紹介します。
梅雨の時季に現れる生き物
紙コップでかたつむり
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- 画用紙(青色、クリーム色)
- 画用紙(かたつむりの触角、目、口)
- 鉛筆
- のり
- はさみ
<作り方>
1.紙コップの飲み口から底に向けて切り込みを入れ、側面部分を開きます。
2.青い画用紙の上に(1)を置き、鉛筆で周囲を縁取ります。
3.(2)でかいた線にそってはさみで切り、もう片方の紙コップの側面に貼りつけます。
4.クリーム色の画用紙を楕円形に切り、紙コップの側面に巻きつけて丸く癖づけをします。
5.(4)を(3)の口をふさぐようにして貼りつけ、画用紙で作ったかたつむりの触角、目、口を貼りつければできあがりです。
<ポイント>
先生は(1)と(2)の工程を済ませておきましょう。4歳児や5歳児であれば、(3)以降の作業は一人でできそうです。
一方、3歳児クラスの場合は(3)や(4)の工程で下書きの線に沿って画用紙を切るのが少し難しいかもしれません。そのため、紙コップにシールを貼ったりちぎった折り紙を貼りつけたりといった形で、かたつむりの殻の部分を製作してみてもよいですね。
紙皿で作るかたつむりの時計
<用意するもの>
- 紙皿 2枚
- 画用紙(クリーム色、水色)
- 画用紙で作った長針・短針
- ボタン
- 糸
- モール
- のり
- テープ
- ペン
- キリ
<ポイント>
紙皿や画用紙にキリで穴をあける工程は、先生が事前に済ませておきましょう。
ボタンの穴やキリであけた穴に糸を通す工程は難しいかもしれませんが、年長クラスであればチャレンジできそうです。製作を通して集中力を養うことにつながるかもしれませんね。
保育室の壁面に飾って、時間の感覚を身につける際に活用してみましょう。(詳しい作り方はこちら)
ぴょんぴょん跳ねるカエル
<用意するもの>
- トイレットペーパーの芯 1本
- はさみ
- ペン
<ポイント>
トイレットペーパーの芯は曲面になっていてカットするのが少し難しいため、4歳児や5歳児向けの製作と言えそうです。
先生があらかじめ鉛筆で切るときの目印をかいておくと、子どもがカットしやすくなるでしょう。カエルのお尻部分を指で押すとぴょんと跳ねるので、おもちゃとして遊んだり跳ぶ距離を競ってゲームをしたりしても面白そうですね。(詳しい作り方はこちら)
季節の花
折り紙で作るあじさい
<用意するもの>
- 折り紙 2枚
- のり
<ポイント>
製作の前にあじさいの写真を見せて「このお花の名前は知っているかな?」とクイズを出し、「これから折り紙を使ってたくさん咲かせよう」と伝えて子どもたちの関心を高めてみましょう。
花の折り方はそこまで複雑ではないものの、葉っぱの部分は少し細かい作業になります。そのため、3歳児クラスは花を折る工程までにするなど、子どもの年齢にあわせて進めてみてくださいね。
好きな色を選べるようにカラフルな折り紙を用意しておけば、子どもたちの個性が光るあじさいができあがるでしょう。(詳しい作り方はこちら)
睡蓮の花
<用意するもの>
折り紙
<ポイント>
シンプルな折り方なので、3歳児クラスから挑戦してみてもよいかもしれません。
折り紙をめくる工程は破らないように慎重に行なう必要があるので、ゆっくりと丁寧に進めるよう声かけをしましょう。
睡蓮は水上に咲く花なので、水色の大きな画用紙で池の水面を作り、その上に睡蓮やカエルなどを貼りつけて6月の壁画製作を作ってみるのもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
カラフルな傘
用意するもの
- 画用紙
- モール
- のり
- セロハンテープ
- はさみ
ポイント
3歳児クラスで行なう場合は使う画用紙の量を減らしたり、4歳児や5歳児クラスではモールをつけるところまでやってもらったりと、子どもの年齢に合わせて取り入れるとよいでしょう。
傘の柄の輪になっている部分に紐を通せば、子どもたちの傘をつなぐことができます。
カラフルな仕上がりなので、保育園の廊下や部屋の中に飾ってみれば室内がぱっと明るくなりそうですね(詳しい作り方はこちら)
6月に製作遊びを取り入れて保育を充実させよう
6月は梅雨の時期のため、外遊びを予定していても室内遊びに切り替えることが多いかもしれません。
急に雨が降ったときも対応できるように、上記の製作遊びのアイデアを参考にしてみてくださいね。
傘、かたつむり、カエルなどさまざまなモチーフを取り入れて、6月ならではの活動を子どもといっしょに楽しみましょう。
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