山の日にはどのような由来があるかご存じでしょうか。日本の祝日のなかでも比較的新しくできた山の日ですが、なぜ制定されたのか、くわしい意味などを知らない先生もいるかもしれません。今回は、山の日の由来やいつできたのかなどを紹介します。また、子ども向けに簡単に伝える方法や、保育園でできる製作もまとめました。

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山の日の由来や意味とは
山の日は、初めて8月に作られた祝日です。ここでは、山の日がなぜ祝日になったのか、またいつできたのかなどをくわしく紹介します。
山の日はいつできた?
山の日は、2014年に「国民の祝日に関する法律」が改正されたことで誕生しました。そして2016年に法律が施行され、現在も国民に広く親しまれています。
山の日が祝日になったのはなぜ?
祝日が制定される場合、天皇の誕生日や天皇にまつわる出来事が由来となっていることが多いですが、山の日に関しては明確な根拠があったわけではないようです。
1995年に「海の日」が作られると、山梨県などの一部地域が独自に山の日を制定し始めたと言われています。その後、海の日の祝日制定に尽力したとある作曲家が「どうして海の日はあるのに山の日はないのか」と提言したことが、山の日ができるきっかけになったようです。
その後、2010年には山岳に関する5つの団体が、山の日を制定しようとする動きを全国的に始めました。このような動きを受けて祝日法が改正され、山の日が祝日になったようです。
山の日の意味
内閣府「国民の祝日について」の資料によると、山の日には「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。」意味があります。
つまり、「人々が共に暮らしてきた山や森林の恵みに対し、感謝の気持ちを持つ日」と言い換えられるでしょう。
日本は国土の約7割を山が占め、いつも自然とともに生きてきた背景があります。そのため、山の日は山が人々にもたらす恵みに感謝する大切な日となっているのですね。
山の日はいつ?
山の日は毎年8月11日に決められていますが、なぜこの日に定められているのでしょうか。
先述したように、山の日は祝日制定の根拠となるような天皇に関する出来事があったわけではありません。そのため、当初は8月と同じく祝日のない6月の第1月曜日にする案や、お盆前のシーズンである8月12日にする案が候補として挙げられていたようです。
しかし、8月12日は日航機墜落事故が起こった日であり、「慰霊をする日が祝日になるのはふさわしくない」との理由から見直され、最終的に1日ずらした8月11日となりました。
山の日の由来を子どもにわかりやすくに伝える方法

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山の日の由来や意味をふまえたうえで、ここでは子ども向けに分かりやすく伝える方法を紹介します。
山を題材にした絵本を読む
子どもたちといっしょに、山や自然をテーマにした絵本を読んでみるのはいかがでしょうか。
森の中に住む動物や虫が主人公の物語や、山自身が主人公となっている物語などを選んでみましょう。他にも、山の美しさや自然の壮大さについて学べる絵本もよさそうです。
絵本を通して、子どもたちが山や森、そこで暮らす生き物などさまざまな自然に興味を持つようになるかもしれません。子どもたちが、身の回りにある自然を大切に思う気持ちを育むきっかけになるとよいですね。
簡単な言葉に言い換える
山の日について伝えるときには、子どもが分かるような簡単な言葉を使って説明してみましょう。ここでは、子どもたちからの質問を想定した言い換えの例文を紹介します。
「山の日って何?」
「山の日は、いつもみんなの近くにある山にありがとうという気持ちを持つ日だよ。」
「山の日はいつなの?」
「山の日は毎年8月11日と決まっているよ。だけど2021年は日本でオリンピックがあるから、特別に8月8日になるんだって。」
「山の日はどんなことをするの?」
「山にはどんな生き物がいるのか考えたり、絵本を読んだりして過ごしてみよう。」
山に関するクイズをする
山にまつわるクイズを取り入れて子どもたちの理解を深めてみましょう。
Q1.「日本に山はいくつくらいあると思う?」
答え:1万6000以上と言われているよ
Q2.「日本で一番高い山は何という山か知ってる?高さはどのくらいかな?」
答え:富士山/約3776m
Q3.「日本で一番低い山はどのくらいの高さだと思う?」
答え:日和山/約3m
Q4.「山にはどんな動物が住んでいるかな?」
答え:クマ、サル、タヌキ、キツネなど(子どもたちに自由にアイデアを出してもらいましょう)
クイズを楽しみながら、子どもたちが山に関心を持てるようになるとよいですね。
山の日への理解を深める製作アイデア
山や自然に関する製作を楽しんで、山の日を身近に感じてみましょう。
ここでは、山や昆虫、動物などをモチーフにした製作のアイデアを紹介します。
山
折り紙で作る簡単な山
<用意するもの>
- 折り紙
<作り方>
1.長方形になるように折り紙を半分に折ります。
2.折り目がついたら(1)を開いて向きを変え、手前に向かってもう一度半分に折ります。
3.(2)の左右の上部の角を中心線に向かって手前に折り、二等辺三角形を作ります。
4.(3)で手前にきた左側の三角形の頂点と、中心より上あたりをつないだところを折り目として、向こう側に折り返します。
6.(5)を裏返し、真ん中で軽く折って立体感を作ればできあがりです。
<ポイント>
この製作は工程数が少なく作りやすいので、折り紙を練習し始める2歳児後半くらいからチャレンジできるかもしれません。できあがったら、保育室に飾ったり紙相撲をして遊んだりしても楽しそうですね。
富士山
<用意するもの>
- 折り紙(水色)
<ポイント>
白い雪を被った富士山を、折り紙で表現してみましょう。そこまで複雑な作り方ではないため、3歳児くらいからチャレンジできそうです。
作り終わったあとは、大きな画用紙に富士山を貼りつけて山の日の壁画製作として活用することもできますよ。
昆虫・虫取り
ちょうちょ
<用意するもの>
- 折り紙(ちょうちょ用) 1枚
- 折り紙(お花用) 数枚
- 磁石 数個(それぞれ同じ極のものを使う)
- タコ糸
- 画用紙を貼った厚紙
- テープ
- はさみ
- 接着剤
<ポイント>
お花を作る際、折り紙で磁石を巻く作業に苦戦してしまう子どもがいるかもしれません。
そのため、先生はあらかじめ最初の1周だけ巻きつけた状態のものを用意しておくと、子どもたちがスムーズに作りやすくなりそうです。
カブトムシ
<用意するもの>
- 折り紙 1枚
- はさみ
<ポイント>
途中で少し細かい作業が必要になるため、4歳児や5歳児向けの製作です。先生がお手本を見せながら同じペースで折り進めるようにすれば、子どもたちがつまずきにくいかもしれません。
カブトムシをいくつか作り、虫取りごっこのおもちゃとして活用してみるのもよいでしょう。また、木や山の風景をかいた画用紙などに貼りつければ、山の日にぴったりな壁画製作ができあがりそうですね。
クワガタ
<用意するもの>
- 折り紙 1枚
<ポイント>
クワガタ特有の角の形まで本格的に表現できる折り紙製作です。
工程数が多く少し難易度が高いので、5歳児の年長クラスでチャレンジしてみましょう。
先ほど紹介したカブトムシと組み合わせて、山をテーマにした壁画製作やごっこ遊びに活用してみてくださいね。
虫取り遊びグッズ
<用意するもの>
- 牛乳パック 1個
- ポリ袋 1枚
- ペットボトル 1個
- ビニールテープ
- テープ
- はさみ
- 両面テープ
- カッター
- キリ
<ポイント>
先生はあらかじめペットボトルに切り込みを入れ、キリで穴をあけたものを用意しておきます。子どもたちには、それを使って虫かごの製作を進めてもらうようにしましょう。
山をイメージして装飾した壁に、折り紙のカブトムシやクワガタを貼りつけて、虫取り遊びを楽しんでみてくださいね。
動物
ジャンピングおさるさん
<用意するもの>
- 紙コップ 2つ
- 輪ゴム
- 画用紙で作ったサルの顔としっぽ
- はさみ
- のり
<ポイント>
紙コップに仕掛けをつければ簡単にジャンプするおさるさんができあがります。また、おさるさん以外にも、うさぎやカンガルーなど跳ねる動物をモチーフにしてみてもよいでしょう。
それぞれ好きな動物を作り終わったあとは、子ども同士で誰が一番高く飛ばせるか競ってみると面白そうですね。
紙コップブタさん
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- ストロー 1本
- テープ
- ペン
- はさみ
- キリ
<ポイント>
キリを使って紙コップに穴をあける工程は先生が行いましょう。
ストローに切り込みを入れる作業は少し難しいかもしれませんが、はさみの扱いに慣れる5歳児であれば挑戦してみてもよいかもしれません。
いろいろな動物の紙コップ人形を作って、山で暮らす動物をテーマにした人形劇をやってみるのも楽しそうですね。
くねくねヘビ
<用意するもの>
- 画用紙(ヘビ本体用、赤)
- 画用紙(ヘビのした用、黄色)
- ノリ
- はさみ
- クレヨン
- テープ
<ポイント>
子どもたちが切り込みを入れやすいよう、先生はあらかじめ目印となる線を鉛筆でかいておくとよいですね。画用紙の色や模様を変えて、子どもたちのオリジナルヘビを作ってみましょう。
紙コップ動物
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- 傘ビニール 1枚
- ストロー 1本
- キリ
- はさみ
- テープ
<ポイント>
先生は、事前に紙コップの側面に穴をあけておきましょう。この製作は、複雑な作業があまりないため3歳児頃からチャレンジできそうです。
身体が長いヘビや鼻が長いゾウなどいろいろな動物にアレンジして、ぐーんと伸びる面白いおもちゃで遊んでみてくださいね。
動物運動会
<用意するもの>
- ミシン糸の芯
- 割り箸 1本
- 輪ゴム 2本
- ボタン
- 紙コップ
<ポイント>
子どもの力では割り箸を切るのが難しいため、あらかじめカットした状態のものを準備しておきましょう。
また、輪ゴムを小さなボタンの穴に通す作業は手先の細かさが必要になるため、苦戦している子どもがいたら先生がフォローするとよいかもしれません。
それぞれ好きな動物を作り、子どもたち同士でかけっこ大会を開いて競争してみると楽しそうですね。
花
折り紙ダリア
<用意するもの>
- 折り紙 1枚
<ポイント>
折り紙を開いてつぶす工程がたくさん出てくるため、幼児クラスの練習にぴったりの製作かもしれません。
これまでに紹介した富士山やクワガタなどといっしょに画用紙に貼って山の日の壁画製作に活用したり、リボンを通して首から下げられるネックレスにアレンジしたりしてもよいですね。
折り紙ひまわり
<用意するもの>
- 折り紙(黄) 1枚
- 折り紙(茶) 1枚
- 折り紙(緑) 1枚
<ポイント>
3つのパーツを組み合わせて作るため、5歳児クラスの子どもたちを楽しめる目安としています。
作り終わったあとは、画用紙や壁に貼りつけてひまわり畑を作れば、自然を感じられる壁画製作ができあがりますね。
コーヒーフィルターで作る朝顔
<用意するもの>
- コーヒーフィルター
- 水の入った紙コップ
- 画用紙
- えんぴつ
- はさみ
<ポイント>
にじみ絵の技法を使って作る、簡単な朝顔の製作です。
ペンで色づけして水に浸すだけなので、2歳児や3歳児から挑戦できるでしょう。
製作を通して夏のお花にはたくさんの種類があることを知り、自然を身近に感じられるきっかけになるとよいですね。
山の日の由来を簡単に子どもたちに伝えて、季節の行事に親しもう
今回は、山の日の由来について、いつできたのか、なぜ祝日になったのかなどを解説しました。
山の日は、「山に親しみをもって感謝する」という大切な意味がある日本の祝日です。
保育園で山の日について聞かれたときは、子どもたちが理解しやすいように簡単に言い換えたりクイズを取り入れたりして伝えてみましょう。
今回紹介した製作遊びも取り入れて、子どもたちが季節の行事や祝日への関心を高め、親しみを持てるようになるとよいですね。
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