保育園で、秋ならではの自然遊びを楽しみましょう。落ち葉やどんぐり、松ぼっくりなどを保育に取り入れれば、秋の季節を存分に感じることができそうですね。今回は、秋の自然遊びについて、自然物を使って楽しめる製作やゲーム、見立て遊びなどのアイデアを紹介します。あわせて保育に導入するねらいもまとめました。
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■目次
保育園で秋の自然遊びを行うねらい
秋にお散歩をすると、コロンとした形のどんぐりやギザギザの形をした松ぼっくり、踏みしめるとパリパリと音がする枯れ葉など、子どもが遊べる自然物であふれています。
そんな自然物を活用すれば、季節を感じながら秋の保育を楽しめるでしょう。
保育園で秋の自然遊びを行うねらいとして、以下が考えられます。
- 自然物を通して秋の季節を体感する
- 自然物を触ったり匂いをかいだりして五感を刺激する
- 自然物を使った遊びを通して想像力を育む
落ち葉やどんぐり、松ぼっくりなどを保育園に持ち帰る子どももいるかもしれません。
秋の自然物を通して季節の移り変わりを感じながら、子どもの好奇心を刺激する活動ができるとよいですね。
次より、落ち葉やどんぐり、松ぼっくりなどを使って楽しめる、製作やゲーム、見立て遊びなどのアイデアをジャンル別に紹介します。
保育園で楽しむ秋の自然遊び【製作編】
保育園で行える、秋の自然物を使った製作のアイデアを紹介します。
うまくバランスとれるかな?どんぐりやじろべえ
用意するもの
- どんぐり(数個)
- 竹串(2本)
- 電子レンジ
- キリ
- 接着剤
製作のポイント
どんぐりにキリで穴を開ける工程は、保育士さんが行いましょう。
やじろべえは日本の伝統的なおもちゃですが、初めて目にする子どももいるかもしれません。
自分の指や積み木の上など、いろいろな場所に乗せて遊んでみましょう。
松ぼっくり
松ぼっくりの首飾り 秋を集めてオリジナルアクセサリー作り♪
<用意するもの>
- 毛糸(1m)
- 松ぼっくり(1個)
- ストロー(数本)
- ハサミ
<製作のポイント>
保育士さんは、あらかじめストローを適当な大きさに切っておきましょう。
ストローに毛糸を通すだけで複雑な工程はないので、年少さんからチャレンジできそうです。
さまざまな色のストローを使えば、カラフルでおしゃれなアクセサリーが作れるでしょう。敬老の日のプレゼントにしてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
松ぼっくりを集めて作ろう♪手作りけん玉
<用意するもの>
- 松ぼっくり(1個)
- タコ糸(70cm 1本)
- 紙コップ(3個)
- トイレットペーパーの芯(1個)
- テープ
- ハサミ
<製作のポイント>
紙コップの底や側面を切る工程は、保育士さんが行いましょう。
できあがったけん玉に自由に色をつければ、子どもにとってより愛着が沸く玩具になるかもしれません。
けん玉大会を開催して、子ども同士で何回できるか競ってみても盛り上がりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
落ち葉を貼り付けて秋のお絵かき♪葉っぱでフクロウ
用意するもの
- 画用紙(1枚)
- 絵の具(数色)
- ストロー
- 落ち葉(適量)
- のり
- ハサミ
- ペン
製作のポイント
吹き絵遊びも楽しめる、落ち葉を使ったふくろうの製作です。
同じ種類の落ち葉を貼って1つのふくろうを作るなど、ルールを決めても楽しいでしょう。
子どもの作品を保育室の壁に装飾すれば、秋らしい雰囲気を演出できそうですね。 (詳しい作り方はこちら)
関連記事:秋の落ち葉を使った製作。保育に取り入れるねらいと、画用紙や絵の具を使ったアイデア/保育士バンク!
保育園で楽しむ秋の自然遊び【ゲーム編】
保育園で遊べる、秋の自然物を使ったゲームのアイデアを紹介します。
落ち葉の色集め
遊び方
1.落ち葉や緑葉を複数枚拾い集めます。
2.緑、茶、黄、赤の色の順番に並べます。
3.一番きれいなグラデーションを作れた子どもの勝ちです。
遊び方のポイント
自然な葉の色でグラデーションを作り、保育士さんが審査員になってチャンピオンを決定します。
きれいな色彩に仕上がるように意識して、赤や黄、緑など、さまざまな色の葉を集めようとする子どもの姿が見られるかもしれません。
適宜、「どっちの落ち葉のほうが赤いかな?」などと言葉かけすると、子どもが考えながら取り組めるでしょう。チームを作って競っても盛り上がりそうですね。
どんぐりのコマ回し
用意するもの
- どんぐり
- 爪楊枝
- キリ
- 接着剤
遊び方
1.どんぐりにキリで穴をあけ、爪楊枝を差してコマに見立てます。
2.一斉にコマを回し、最後まで回すことができた子どもが勝ちです。
遊び方のポイント
コマの製作では、あらかじめ保育士さんがキリで穴をあけておきましょう。
ペンを使ってカラフルな模様をつければ、回ったときにきれいな見た目になるかもしれません。
チャンピオンの子どもには、保育士さんがどんぐりで作ったコマをプレゼントしてもよいですね。
どんぐりの的入れ 再生時間(0:01~0:23)
用意するもの
- どんぐり
- 卵のパック
- 画用紙
- ペン
遊び方
1.卵のパックの中に番号をふって、的を作ります。
2.高得点の穴を目掛けてどんぐりを投げ入れます。
3.合計した得点の高い人が勝ちです。
遊び方のポイント
拾ってきたどんぐりと廃材を使って、的入れゲームを楽しみましょう。
数字の大きい穴を狙えばよいことを意識しながら、数字の大小について学ぶきっかけにもつながりそうです。
どんぐりの入った玉子パックを閉じればマラカスになるので、遊んだあとは楽器遊びに発展させてもよいですね。
イチョウでひっぱり相撲
遊び方
1.2人1組になり、2本のイチョウの茎の部分が十字に交差するように持ちます。
2.相手のイチョウの茎が切れるように引っ張り合います。
3.自分より先に、相手の茎が切れたら勝ちです。
遊び方のポイント
何度かゲームを行えば、太い茎のものを使えば勝ちやすいことに気づくかもしれません。イチョウ選びから真剣に取り組む子どもの姿が見られそうですね。
個人戦のほかにもチームを作り、勝ち抜き戦にしても楽しそうです。
松ぼっくりいくつ乗せられるかな?
遊び方
1.松ぼっくりを拾い集めます。
2.自分の頭の上に松ぼっくりを乗せます。
3.一度にたくさん乗せることができれば勝ちです。
遊び方のポイント
乳児クラスの子どもの頭の上にも乗せて遊んでみましょう。
保育士さんの頭の上に松ぼっくりを乗せてからわざと落として見せると、子どもは面白がって笑顔になるかもしれません。
幼児クラスでは、チームを組んで松ぼっくりを頭に乗せた合計数で競っても盛り上がりそうです。
くっつき虫くっつけ競争
くっつき虫と呼ばれる植物を使ってゲームしてみましょう。次のようにさまざまな種類があるので、子どもたちと探すところから楽しんでみてくださいね。
くっつき虫・ひっつき虫と呼ばれる植物
<オナモミ(キク科)>
葉を揉むと虫さされに効いたことから「生揉み(なもみ)」と呼ばれていたのが語源です。キク科の一年草で、低地の路傍や荒れ地などに生えます。
トゲのある実が衣服などにつきやすく、この実の形がヒントになり、面ファスナーが誕生したと言われています。
<アメリカセンダングサ(キク科)>
北アメリカ原産の帰化植物で、道ばたや空き地の湿ったところに生えます。
対になっている葉がついており、枝の先に黄色い花が咲きます。
実には小さな鋭いトゲがびっしりついているため、服にくっついたらなかなか取れない雑草です。
<イノコヅチ(ヒユ科)>
四角で堅い茎に、ボコボコと楕円形の実がびっしりくっついています。
実には、髭のような形状の突起物があるため、服に刺ささると取りづらいという特徴があるようです。
<チヂミザサ>
世界に広く分布する多年草で、北アメリカの帰化植物です。
葉の見た目がササに似ており、ふちが縮れていることからこの名称になったと言われています。
粘り気のある液を出すことで、服などにくっつく特徴があります。
<ヌスビトハギ>
マメ科の多年草で、道端で普通に見ることができます。
実が、泥棒のぬき足さし足で歩くときの足跡の形に似ているため、このような名称がつけられたようです。
花は薄紅色の花をたくさん咲かせ、茎が木のように硬いのが特徴です。
実にはカギ型の毛がついているため、衣類にくっつきやすい特徴があります。
遊び方
1.2つのチームに分かれて、1人2つ以上のくっつき虫を集めます。
2.保育士さんの合図で、相手チームにくっつき虫をつけます。
3.制限時間内にたくさんのくっつき虫を相手チームにつけたほうが勝ちです。
遊び方のポイント
くっつき虫やひっつき虫と呼ばれる、トゲトゲとした緑色の植物を使ったゲームです。
自分のチームにつけられたくっつき虫を相手チームにつけ返せるルールにしても盛り上がりそうですね。
ねこじゃらし相撲
用意するもの
- ねこじゃらし
- 空き箱
- ペン
- ハサミ
遊び方
1.ねこじゃらしの茎の部分を切ります。
2.空き箱に円をかき、中心に2本の線を引いて土俵を作ります。
3.(2)の土俵の線上に(1)のねこじゃらしを2つ乗せます。
4.空き箱の円の外側を叩き、相手のねこじゃらしを円から出せば勝ちです。
遊び方のポイント
ねこじゃらしと呼ばれる、エノコログサを使ったゲームです。
まるでダンスをしているかのような動きがおもしろいので、子どもは思わず笑顔になるかもしれません。
ねこじゃらしに目をつけて生き物のように仕上げれば、より楽しめそうですね。
保育園で楽しむ秋の自然遊び【見立て遊び編】
保育園でできる、秋の自然物を使った見立て遊びのアイデアを紹介します。
落ち葉
プール
落ち葉がたくさん落ちている公園で、落ち葉を水に見立てたプール遊びを楽しみましょう。
落ち葉の上に横になって背泳ぎやクロールなどを行えば、身体を思いっきり動かして遊べそうです。
落ち葉に子どもの体をうずめれば、お風呂ごっこもできそうですね。
ケーキ
砂場遊びでは、落ち葉を使ったケーキを作りましょう。
砂でケーキの土台を作り、落ち葉でデコレーションします。
どんぐりや松ぼっくりもいっしょに飾れば、より豪華なケーキに仕上がりそうですね。
お面
子どもの顔よりも大きな落ち葉を見つけたら、お面を作ってみましょう。
落ち葉に覗き穴を2つあけて顔につけ、「だーれだ?」と声を聞いて子どもを当てるゲームをしても楽しそうですね。
どんぐり
人形
どんぐりを保育室に持ち帰ったら、ブロック遊びに導入してみましょう。
どんぐりを人形の代わりにして遊ぶ姿も見られるかもしれません。
一つひとつに顔をかけば、お母さんや赤ちゃんなどに見立てて楽しめそうですね。
ご馳走
どんぐりは、おままごと遊びでも活用できます。
器に入れれば、ご飯やサラダなどのご馳走に見立てることができるでしょう。
どんぐりを使ってたくさんの料理を作り、どんぐりパーティーごっこをしてもよいですね。
松ぼっくり
みのむし
松ぼっくりをみのむしに見立てて、いろいろな色の折り紙や毛糸をくっつけてみましょう。
目をつければかわいい表情が作れそうです。
紐をつけて保育室にぶらさげれば、秋の季節を感じられそうですね。
小さなクリスマスツリー
松ぼっくりをクリスマスツリーに見立て、飾りつけを楽しみましょう。
かわいいシールや折り紙を貼って色を添えてもよいですね。
できあがったクリスマスツリーに紐をつけて、大きなクリスマスツリーにぶらさげてもすてきかもしれません。
保育園に自然遊びを取り入れて、子どもたちと秋の季節を体感しよう
今回は、保育園で楽しめる、秋の自然物を使った遊びを紹介しました。
秋の自然遊びには、自然に触れながら五感を育むなどのねらいがあります。
自分で拾ってきた落ち葉やどんぐり、松ぼっくりなどを使った製作は、子どもにとって愛着の沸く大切な作品になるかもしれません。
また、おままごとや砂場遊びに自然物を取り入れれば、子どもが想像力を働かせて見立て遊びを楽しむ姿が見られるでしょう。
保育園に秋の自然遊びを取り入れて、子どもといっしょに季節感を味わえるとよいですね。